駅に向けて自転車をこいでたら、
前方に少女が一人で歩いてた。
まるで宮崎アニメに出てくるような、
ワンピースにフワッとした木綿色の帽子。
帽子の縁には花の刺繍が。
背格好、
ワンピースの色、
帽子の大きさ、
すべてが完璧にぼくの中では、
理想の少女だった。
瞬間的に、
写真撮りたい、
と思った。
でも次の瞬間、
それって変なおじさん?
と思い、
どうしてもまいふぉんを向けることができなかった。
それどころか、
自転車を止めることもできず、
少女のそばを通り過ぎ、
振り向くこともできなかった。
あぁ、
あの少女、
もう一度出会わないかな?
いや、
たぶん出会っても、
あの格好とは限らないし、
天気も今日とは違うだろう。
あの一瞬の少女の後ろ姿は、
二度と見ることはないだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿