通勤のため、
電車の先頭車両に乗って、
先頭の席に座っていたら、
次の駅で白い杖をついた女性が、
駅員に誘導されて乗ってきた。
30歳ぐらいか?
水色のワンピースを着て、
僕の隣に座った。
大阪で降りようとしたら、
彼女も同じだったので、
思い切って、
案内しましょうか?
と声をかけた。
彼女が僕の右ひじのあたりを持って、
たった数歩だったけど、
ドアまで導いた。
ホームにはすでに駅員が待機してて、
引き渡したんだけど、
後ろで、
阪急をご利用ですか?でも私は改札までしかご案内できません。
と駅員が言ってるのが聞こえた。
僕はエスカレーターへ、
彼女と駅んはエレビーターヘ。
でも、
気になったので、
彼女らが改札を出てくるのを待っていた。
そして、
阪急まで、
僕が案内しましょうか?
と申し出てみると、
ありがとうございます。
と、
とても素敵な声で彼女が言ってくれた。
歩道橋を登って、
改札まで。
5分ぐらいだっただろうか?
彼女はその間、
関西ではエスカレーターは右ですか?
とか、
グランフロントにはまだ行ってないんです。
ルクアに美味しいアップルパイの店があるんですけど、
行きたい行きたいと思っていながらもう3か月です。
などと明るく話してくれた。
彼女は、
視覚障害者の空有間認識の研究に協力するため、
関西大学に行く途中だということだった。
阪急梅田駅の改札で、
駅員を見つけて引き渡し、
お気をつけて、
と言って別れた。
勇気を出して声をかけてよかった、
と思う一方、
どうしてアップルパイの店、
今度一緒に行きましょうと言えなかったのかと、
ひどく後悔した。
彼女はその言葉を期待していたのではないのか?
僕は何を遠慮していたのだろう?
もし今度出会ったら、
ぜひ誘ってみよう。
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