2016年8月6日土曜日

一人

浮いている状態だと、

たとえ親指と人差し指でつまんだだけでも、

すごく安定する。

今日は少しの時間だけど、

ほんの数秒だけど、

その、

わずかな支えもなく、

たった一人で浮いていた。

正確には落ちていたんだけど。

途端に体がぶれた。

でも、

あ、

自分は一人でこの空中にいるのだと、

確かに感じた。

自転車を覚える時、

後ろで支えている手が離された時のように。

ふらつくけど自由。

求めていたものに、

一ミリ近づいた。

静かな感動だった。

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