2016年7月15日金曜日

生前

矢野顕子の母親は、

会津藩士の流れをくむ家系の生まれだったそうで、

生き方が武士そのものだったらしい。

晩年、

胃がんにかかった時のエピソードがすごい。

外科手術を拒み、

寿命と受け入れたという。

それだけじゃない。

亡くなる前に、

自分の葬儀に参列してくれた方へのメセージを残した。

その内容は、

みなさんのおかげで楽しい人生でした。

私は死んで灰になり、

次の生命の元となります。

みたいな、

目茶苦茶にかっこいい内容だった。

人間かくありたいと、

誰しもが願いながら、

ほとんどの人ができないことを、

この人はさらりとやってのけたのだ。

天皇が生前に退位したいと言っているらしい。

しんどくて辞めたいのなら、

別になってくれと頼んだわけでもないし、

どうぞお好きに、

と言って差し上げるべきか。

はたまた、

陛下辞めないでぇ、

と言って差し上げるべきか。

難しいところだ。

辞めたくなったら辞めれるとなれば、

兄ちゃんはもう10年も天皇やったから、

弟にも天皇を味あわせてやろう。

なんてことにはならないか?

そもそも、

自分の意思では自分の立場をどうにもできないという、

宿命的なものがあるということが、

天皇という、

摩訶不思議な地位をありがたいものにしているという側面はないのか?

ま、

そんなことはどうでもいいのだ。

ただし、

おやめいただくのには、

憲法を変えねばならぬ、

となってくると、

ちょっと待て、

と言いたくなる。

それを本当にお望みか?

この生前退位問題が、

憲法改正に利用されはしないか。

これは他人事ではない。

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