母が、
亡き親父の勤め先の株を、
売ろうと決心した。
聞けば、
親父が若いころ、
ボーナスが出るたびに、
半ば強制的に買わされたものだと言う。
そう言う時代があったんだね。
だから、
多分50年以上は持ち続けているのだと思う。
その株が、
最近ぐんぐん値上がりして、
売れば、
子や孫に何かプレゼントできるだろうと思ったらしい。
僕はもう、
賛成も反対もないので好きにすればとだけ言ってあった。
すると母は証券会社に行ったらしい。
帰ってきた母はがっかり。
何でも、
その株はいつの間にか10株が1株にされていた。
だから、
自分が思っていた合計金額の、
実際には10分の1しか価値がなかった。
しかも、
売るためには、
親父がいつ、
どれだけ買ったかの証明が必要で、
仮に売っても税金やら何やらで、
下手をすれば赤字になる、
と脅されたらしい。
本当にそんなことがあるのかね。
親父がなけなしの金から会社の将来に託して買った株が、
今や二束三文にしかならない、
それが本当なら、
母と同様の思いをしているお年寄りは、
案外多いかもしれない。
●元町には木曜日に参ります。よろしくお願いします。
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