2014年12月6日土曜日

技法

昨日、
フェルメールの謎っていうドキュメントを観たけど、
メッチャ面白かった。

油絵なんか描いたこともない技術者が、
フェルメールはどうやって描いたのかを研究して、
実際に描いてしまった。

フェルメールが当時の光学機器を使っていたであろうことは、
だいたい確からしいんだけど、
実際どうやって使っていたのかがわからなかった。

たとえば、
フェルメールの絵には下書きの跡がないことがわかっていて、
それはつまり、
キャンバスにいきなり絵の具を載せていたことになる。

ただ、
たとえば工学的にキャンバスに映像を投影しても、
その投影された色にピッタリ合わせることはできない。

重なって濃くなってしまう。

そこでこの技術者は考えた。

で編み出したわけ。

それは、
対象を鏡に反射させて、
キャンバスの上に表示させる。

言葉で説明しにくいけど、
鏡の像を見ながらキャンバスに描く。

鏡とキャンバスを少しずつずらして、
両方の像が一致するまで何度も何度も、
色や形を補正していく。

そして遂に、
鏡とキャンバスの境目が見分けつかなくなる。

すると、
キャンバスには、
対象そっくりの形、
色彩が再現されていた。

これは驚き目から鱗。

技術者はこれを応用して、
フェルメールの実作の再現に挑む。

描かれているのと同じ部屋を再現し、
さっきの方法で隅から隅まで描いてみせた。

何年もかかったプロジェクトだけど、
出来上がった作品は、
プロもうならざるを得ない作品になった。

面白い言葉があった。

今では科学と芸術は別分野だけど、
フェルメールのころはもっと近かった。

ダビンチもそうだけど、
科学者で画家、
みたいな人はいろいろいたみたい。

で、
この技術者の結論は、
フェルメールは当時の工学技術を駆使して、
油絵で写真を描いたのだと。

実も蓋もない結論で、
美術界からの受けは悪いみたいだけど、
これ、
相当に真実なんじゃないかと思っている。

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