2015年4月29日水曜日

未来

年を取るということは、
遠い未来を描けないということだ。

たとえば、
ぼくは30年後の夢は描けない。

夢を託す子どももいない。

ぼくが描ける夢は、
せいぜい20年が最長だろう。

老後、

という言葉が急に身近になったのは、
50歳になってからだ。

30歳になった時、
人生の俯瞰図が見えたようで、
急に怖くなった覚えがある。

40歳の時は、
将来もなにも、
あり得ない現実に対処するだけで精一杯だった。

この10年は、
その尻ぬぐいをするために費やしてきたようなものだ。

ぼくが子どものころ、
定年退職は55歳だった。

今の感覚ではあり得ないかもしれないけど、
ぼくの中ではひとつの節目かなと思っている。

というか、
中学生の時のぼくは、
50歳以上生きていても仕方ないと、
結構マジに思っていた。

あの頃のぼくにとって、
今のぼくは、
すでに死んでいる予定の未来を生きている。

大笑いされちゃうな。

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