6月1日付けで子会社に出向することになった。
ひと月ほど前に伝えられ、
これまで社内でも黙ってきた。
最近は、
みんな薄々知っていたと思うけど、
面と向かっては聞いてこなかった。
今日、
新人の女の子が、
ついに扉を開いた。
●●へ行きはるんですか?
無垢な疑問に、
ぼくは嘘をつくことはできなかった。
そうやで。
これまで黙っていただけで、
嘘をついたわけではない。
異動することも、
それを受け入れることも、
何事も潮時だ。
会社には迷惑もかけたけど、
ぼくなりに精一杯仕事した。
特にこの8年余りは、
自分を褒めてやりたい。
悔いは全くない。
実に笑顔だ。
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