2017年1月13日金曜日

再見

「この世界の片隅に」が、

キネマ旬報の邦画ベスト1になった。

アニメ部門とかではなく、

邦画1位だ。

だからというわけでもないが、

姉と映画館に見に行った。

同じ映画を映画館で二度見するなんて、

僕史上初の快挙だ。

平日の昼間にもかかわらず、

相変わらず立ち見が出る盛況ぶり。

しかも夜には、

クローズアップ現代でも取り上げられた。

これでまた当分、

この映画の人気は続くだろう。

僕がこの映画の制作に寄付したのは、

エンドロールに名前が出るということが大きかった。

この映画に、

かすかにでも関わった証が残ることが、

僕にとっては大切だった。

僕が死んでも、

この映画は何十年も残るだろう。

そのエンドロールに僕の名前があることなど、

僕と周囲の数人を除けば、

全くどうでもいいことだ。

それでも、

この良き映画に自分の名が刻まれることに、

僕は価値を見出したし、

作品が僕の想像を超えて素晴らしいものであったことを、

本当に誇らしく思える。

平和な日常に、

戦争が靄のように被さり、

いつのまにか、

靄のある風景が日常になり、

いつしか黒雲となって銃弾が降り注ぐ、

そんなことが二度と起きぬよう、

僕の姪やその子達に向けての、

僕からの祈りでもある。

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