通勤電車が突然止まった。
ただいま、
沿線の草が燃えておりましたので緊急停車しました。
車掌ではなく、
運転士がアナウンスした。
僕は先頭車両の先頭寄りに座っていたので、
運転席の様子がよく見える。
でも、
燃えている草は、
すでに通り過ぎていて、
僕からは全く見えない。
電車は安全な位置に停止しておりますのでご安心ください。
続いて、
ただいま車掌が消火器で消火に向かっております。
ときた。
頭の中で絵が浮かんで楽しい。
車掌が一人で消火器で消せる程度なら、
わざわざ停止する必要あるの?
しばらくすると、
運転士も消火器を持って列車から出ていった。
10分、
20分、
30分。
やっと戻ってきた運転士は、
肩を上下させてマイクを握り、
消火が終了しましたので、
安全を確認の上、
発車いたします。
この間、
乗客は文句ひとつ言わず、
ほのぼのとことの推移を見守っていた。
土曜日だったのが幸いしたのだろう。
電車が動くまさにその時、
消防車のサイレンが聞こえてきた。
今頃遅いっちゅうの。
いやしかし、
沿線の草が燃えていたにせよ、
電車を止めるのは勇気いっただろうな。
結果的に、
この騒動でダイヤは大混乱した。
頭を下げた駅員はたくさんいたはずだ。
そういうことを考えに入れた上で、
迷わず電車を止めた運転士は偉いと思った。
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