2017年1月8日日曜日

火災

通勤電車が突然止まった。

ただいま、

沿線の草が燃えておりましたので緊急停車しました。

車掌ではなく、

運転士がアナウンスした。

僕は先頭車両の先頭寄りに座っていたので、

運転席の様子がよく見える。

でも、

燃えている草は、

すでに通り過ぎていて、

僕からは全く見えない。

電車は安全な位置に停止しておりますのでご安心ください。

続いて、

ただいま車掌が消火器で消火に向かっております。

ときた。

頭の中で絵が浮かんで楽しい。

車掌が一人で消火器で消せる程度なら、

わざわざ停止する必要あるの?

しばらくすると、

運転士も消火器を持って列車から出ていった。

10分、

20分、

30分。

やっと戻ってきた運転士は、

肩を上下させてマイクを握り、

消火が終了しましたので、

安全を確認の上、

発車いたします。

この間、

乗客は文句ひとつ言わず、

ほのぼのとことの推移を見守っていた。

土曜日だったのが幸いしたのだろう。

電車が動くまさにその時、

消防車のサイレンが聞こえてきた。

今頃遅いっちゅうの。

いやしかし、

沿線の草が燃えていたにせよ、

電車を止めるのは勇気いっただろうな。

結果的に、

この騒動でダイヤは大混乱した。

頭を下げた駅員はたくさんいたはずだ。

そういうことを考えに入れた上で、

迷わず電車を止めた運転士は偉いと思った。

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