挫折体験のある人は沢山いるけど、
増田明美ほど親近感を覚える人はいない。
なにせ生年月日が同じなのだ。
ロス五輪。
メダルを国中から期待されながら、
なんと16キロで棄権。
日本の空港についた彼女に浴びせられた声。
非国民。
いったいいつの時代やねん、
って感じだけど、
事実らしい。
彼女はマラソンを走れなくなった。
数年がたって、
やっとマラソンに戻って来た。
そして走った大阪国際女子マラソン。
沿道のおっさんが、
野太い声で言った。
もうお前の時代は終ったんや。
彼女はその瞬間、
足が止まって走れなくなったという。
地下鉄の駅はどこか。
それに乗って帰ろう。
と思ったそうだ。
その時、
一緒に走っていた市民ランナーが、
立ち止まり、
背中をたたき、
かけ声をかけ、
彼女を励ましたんだそうだ。
彼女は今言う。
言葉は人を傷つける。
でも人を癒すのもまた言葉なのだと。
マラソンの解説や人生案内ににじみ出る、
彼女のあたたかい人柄は、
この挫折の経験の賜物に違いない。
●月曜日に元町に行きます。
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