2019年8月1日木曜日

新作

「君の名は」から3年。

新海誠監督の「天気の子」を見てきた。

前作があれだけメガヒットしただけに、

次の作品へのプレッシャーは相当なものだったと思う。

世間の評判も前作には及ばないという声が多いようだ。

でも実際に観てみて、

この作品はこの作品で十二分に魅力ある良作だと思った。

何より映像の描写力。

写真と見まごうばかりの緻密な映像の中で動くアニメの主人公。

単に本物みたいというだけなら、

実際の映像を使えばいいのだけれど、

このアニメは、

ある意味実写そのまま、

でその実写の中に架空の映像、

ありえない映像が織り交ぜられているので、

そのありえなさがリアルに思える。

そういう意味でアニメである意義はあるのだと思う。

主人公は16歳の家出男子と15歳の母を失くした少女。

前作が隕石の落下で村が消滅するとか、

パラレルワールドを組み合わせた大作と呼ぶなら、

この作品は東京に舞台を限定した中編といったところか。

それでも圧倒的にリアルな東京の描写、

的を絞ったストーリー。

しっかり作り上げられていた。

惜しむらくは、

主人公の背景、

母を亡くしたこと、

家出した経緯、

そこがほとんど前提条件になっているので、

感情移入がしにくいという難点があるように思った。

そして、

天気が自在に操れるという少女の特殊能力がなぜ彼女に備わったのか、

その必然性というか説得力が乏しいとも思った。

展開はわかりやすく、

君の名はと同じように、

騒動があって、

その数年後で終わる。

繰り返すけど、

映像美。

雨の東京、

そして晴れ間の美しさ。

3年でさらに磨きがかかった。

とにかく3年の時の全てを作品にかけた監督の思いはすごい。

ドラマチックさはかけるけど、

それなりにまとまっていtる。

前作が自然災害がテーマだとしたら、

今回は異常気象がテーマ。

そういう時事性も兼ね備えている。

RADWIMPSの音楽も控えめ。

前作のようなスペクタクル感は薄まり、

くり消すけど中編、

だけど良作と呼ぶにふさわしい。

見る価値はある。

オススメしたい。

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