2015年8月19日水曜日

一言

先日のヨルタモリに福山雅治が出ていて、
子どもの頃のこんなエピソードを話した。

父親にタバコを買いに行かされた福山少年。

タバコの銘柄はラーク。

今でこそ、
どこの自販機でも売っているけれど、
40年近く前には完全な「洋もく」。

近所のタバコ屋にはなく、
かなり遠いところまで行って、
やっと見つけたそうだ。

帰ってくるなり、
母親に叱られた。

こんな遅くまでどこ行ってたん。

一方父親は、

そう怒るな。

そんな遠くまで買いに行ったとは、
おまえ案外根性があるな。

福山は今でもその父親の言葉を覚えていて、

親父に褒められたのは、
後にも先にもあの時だけ。

あのひと言があったから、
歌手生活25年を迎えられたのかもしれない、

と言っていた。

もちろん大げさなんだけど、
でも、
そういうのってあるなと思った。

子どものころ、
何気なく大人が発したひと言を、
人生の灯台のようにして生きる、

みたいな。

父親は、
自分が頼んだんだから怒ることもできないし、
苦し紛れに言っただけかもしれないけれど。

だからといって、
闇雲に子どもを褒めればいいというわけじゃないだろう。

たまに、
しかも、
何気に出た言葉が、
子どもの心の琴線に触れた時、
その言葉は、
その子にとって金言となるわけだ。

ぼくにもそんな言葉が、
あるような、
ないような。

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