2018年8月2日木曜日

酩酊

先日の会社帰りの電車。

僕の隣の若い男性は、

完全に酔っ払ってた。

横に置いたカバンを枕のようにして寝てるかと思いきや、

逆方向に体を倒したり。

ある駅でふと目覚めた男性。

乗り越したのか何か知らないが、

急に立ち上がって降りようとしたんだけど、

体の平衡が取れず、

後ろに数歩よろめいた。

スマホを落として拾おうとするんだけど、

体が思うように動かず、

周囲の乗客が支えたりしながら、

もちろん僕も手助けして何とか電車から出た。

次の瞬間、

男性はホームで電車に向かって後ろ向きに倒れた。

最後尾の車両だったので、

すぐに車掌が駆け寄り数分。

多分、

改札まで肩でも貸していたんだろう。

乗客はただじっと発車を待っていた。

あの男性の気持ち分かるんだよな。

後ずさりしながら笑ってた。

多分、

自分の情けない姿に自分を笑ってたんだと思う。

何があったのか知らないけど、

そこまで飲む理由があったのだろう。

僕も10年ほど前、

最寄駅のホームで転んで起き上がってもフラフラで、

駅員に助けられたことがある。

あの時は親切な駅員だなぁと感謝したけど、

彼も駅で電車に接触でもされたら一大事だから、

優しさと同時に職務として当然のことをしたのだろう。

あの時の僕も自分が情けなかった。

我が身をまともに動かすことすらできなかった。

青年に嫌悪感は全く抱かなかった。

むしろ昔の自分を思い出させてくれた。

今日見ていた番組で、

立川志らくが、

自分の限界をわきまえているのが大人だ、

としたり顔で話していた。

ごもっともなんだけど、

彼は落語家として大成できるのか。

人のどうしようもない業を肯定するのが落語ではないのか。

ダメな人間を笑いつつも寄り添うのが落語家ではないのか。

人間のそういうどうしようもない無様を寛容に見れないのか。

電車の中で缶チューハイを飲んでる人。

歩きながらビールを飲んでいる人。

道端で寝て起き上がれない人。

それぞれそれなりの事情があるのだろうなと思う。


0 件のコメント:

コメントを投稿

遺志

30日は親父の13回忌だ。 あーそんなになるのか、 と言うのが率直な感想。 親父が亡くなる直前、 僕は酒を辞めた。 復職して最初のボーナスが出た日、 入院していた病院に行って報告した。 もう親父はかなり弱っていて、 ほとんど喋れなかった。 でも...