2018年8月4日土曜日

平凡

阪神大震災を機に建て替えた我が家も、

もう築20年を過ぎ、

いくら母が綺麗にしていても、

あちこちボロがではじめた。

今日は1階のウォシュレットから、

オイルのようなものが漏れるというので、

交換することに。

トイレ全体を変えるという案もあったが、

できるだけ現状維持ということで、

上のウォシュレットの部分だけを交換。

とはいえ、

20年の進歩はすごい。

トイレのドアを開けただけで便器の蓋が自動で開く。

それだけでびっくりだ。

用を済ませると勝手に水が流れ、

ドアを閉めたら便器の蓋も閉まる。

前には門扉の掛け金が折れたし、

洗濯機も変えた。

冷蔵庫や食洗機だって、

早晩ガタがくるだろう。

2階のトイレだって怪しい。

母はリビングのカーテンが限界だと言っている。

僕は全く感じないけど。

でもここは母の家だ。

好きにすればいい。

僕は一切口を挟まない。

自分の部屋以外は、

極力、

昔のままにしておきたい。

親父がいた頃のままに。

どんなに大事に扱っていても、

物も人間と同じように歳をとる。

物は交換すればまた新品になるけど、

人間はそうはいかない。

衰えゆく体と競走しながら、

自分の技術を磨く。

生涯学習としてジャズを初めて何年になるだろう。

進歩しないのに続けていられるのはなぜか考えてみた。

結局、

これ以外、

仕事の他に続けてきたことがないのだ。

もしこれを諦めたら、

僕のこの10年は、

ただ仕事をしてきただけの存在になってしまう。

これはもう半ば意地だ。

何があっても引き返すことはできない。

諦められない背景にはそういった思いがある。

自分からそれを取ったら何が残るの?

そんなことを言うレベルですらないけど、

その10年が僕を支える。

半分、青いの主人公は漫画に10年没頭して、

自分は飛べないと悟って夢を手放した。

旦那は諦めきれず妻子を捨てて映画の世界に戻った。

あの旦那は将来、

映画で成功したとしてもそのことを一生後悔するだろう。

離婚しなくても映画は撮れると大人は思うが、

でもあの年代ではそのことは分からない。

人は愚かな選択をし、

傷つき、

でもまた這い上がる。

僕にはあの旦那の気持ちも、

キムラ緑子の気持ちもわかる。

だから切なくて見入ってしまう。

なんだか支離滅裂になってしまった。

なんでウォシュレットの交換が若者の夢に繋がるのか。

つまり、

平和の維持と、

夢を諦めることとの関係みたいなことを言いたいのだと思う。


0 件のコメント:

コメントを投稿

遺志

30日は親父の13回忌だ。 あーそんなになるのか、 と言うのが率直な感想。 親父が亡くなる直前、 僕は酒を辞めた。 復職して最初のボーナスが出た日、 入院していた病院に行って報告した。 もう親父はかなり弱っていて、 ほとんど喋れなかった。 でも...