2015年2月14日土曜日

無駄

CDよりレコードの方が音がいい。

昔からよく聞いてきた説だけれど、
イマイチ確証が持てなかった。

でも、
最近読んだ記事によると、
やはりレコードの勝ちらしい。

CDは手軽にいい音を再生するには向いているけど、
再生音の上限と下限をカットしている。

それは人間の耳には聞こえないからと。

つまり「無駄」だという理由で。

しかし、
その音域は無駄ではなくて、
音の厚みとか広がりとか、
聞こえなくても感じることは出来るらしい。

その点、
レコードは従来「無駄」とされてきた「音」も収録されている。

だから、
非常に高価なシステムで再生すれば、
その音はCDを凌ぐのだと。

ぼくがCDの音に初めて触れたのは、
たぶん20歳前後で、
場所はデパートの音響機器コーナーだったと思う。

中島みゆきの「明日天気になれ」だった。

すごくクリアで圧倒的な音に驚いたけど、
あれは食べ物でいう添加物たっぷりのジャンクフードを、
おいしいと錯覚するのと同じ状態だったのではあるまいか。

ところで最近、
レコードの方が音がいいと「公式」に書かれ出したのは、
デジタルの世界にハイレゾが登場したことと無縁ではないと思う。

ハイレゾならレコードの音に勝るとも劣らないと。

そういう時点になってようやく、
レコードって実はすげー音いいんだよと、
認める余裕ができたのではないのか。

つまり愚かなるぼくは、
なんだかんだ30年間ほど、
レコードより劣る音をいい音だと信じて来たのだ。

ジャズ喫茶の頂点といわれる、
岩手のベイシーまで行ったのに。

それにしても。

あの塩ビに溝を刻んだだけの、
レコードがそれほどの情報を蓄えていたとは。

確かに傷ついたりホコリがついたり、
扱いは面倒くさいけど、
丁寧に何百万円かのシステムで再生すれば、
ものすごい音を出すのだ。

jamjamなんかすごいもん。

科学は進歩しているわけだけど、
新しいと聞かされながら、
実際は劣っているものをあてがわれているのかもしれない。

デジカメだって、
かなり進歩したけど、
やっぱりフィルムにはかなわないんでしょ。

今でも。

従来「無駄」とされ切り捨てられて来たものが、
実は全然「無駄」じゃなかった、
みたいなこと、
ほんとうにたっくさんあるのかもね。

0 件のコメント:

コメントを投稿

遺志

30日は親父の13回忌だ。 あーそんなになるのか、 と言うのが率直な感想。 親父が亡くなる直前、 僕は酒を辞めた。 復職して最初のボーナスが出た日、 入院していた病院に行って報告した。 もう親父はかなり弱っていて、 ほとんど喋れなかった。 でも...