2016年1月29日金曜日

黄昏

日の名残りという映画を鑑賞。

第一次大戦から第二次大戦にかけて、
イギリスの貴族の執事と、
女中頭の人間関係を描く。

カズオイシグロの同名小説が原作だ。

執事と女中頭との間には、
恋心が芽生えているのだが、
厳格な執事は、
自分の思いを決して表に出そうとしない。

女中頭がついに、
別の男性と結婚しますと告げても、
おめでとうとそっけなく一言。

それから20年ぶりに再会しても、
本当は打ち明けたかった?のに、
元女中頭に孫ができたという、
強烈なパンチを見舞われ、
結局何一つ告げる事なく、
さようならと言うだけ。

この男は執事という職業に浸りすぎて、
一人の男性として振る舞うことが、
どうしてもできなかった。

あるいは、
自分の思いを恋心だと認めることも、
したくなかったのかもしれない。

とにかく、
執事は人生に何度か現れる扉を、
一度も開けることなく、
老いていく。

1日の間で黄昏時が一番美しい。

そんなセリフがあった。

人生の黄昏時に、
そっと過去を振り返る。

味わった喜怒哀楽のすべてが、
懐かしく美しいと感じられたら、

人は笑って死ねるのだろうか?

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