日の名残りという映画を鑑賞。
第一次大戦から第二次大戦にかけて、
イギリスの貴族の執事と、
女中頭の人間関係を描く。
カズオイシグロの同名小説が原作だ。
執事と女中頭との間には、
恋心が芽生えているのだが、
厳格な執事は、
自分の思いを決して表に出そうとしない。
女中頭がついに、
別の男性と結婚しますと告げても、
おめでとうとそっけなく一言。
それから20年ぶりに再会しても、
本当は打ち明けたかった?のに、
元女中頭に孫ができたという、
強烈なパンチを見舞われ、
結局何一つ告げる事なく、
さようならと言うだけ。
この男は執事という職業に浸りすぎて、
一人の男性として振る舞うことが、
どうしてもできなかった。
あるいは、
自分の思いを恋心だと認めることも、
したくなかったのかもしれない。
とにかく、
執事は人生に何度か現れる扉を、
一度も開けることなく、
老いていく。
1日の間で黄昏時が一番美しい。
そんなセリフがあった。
人生の黄昏時に、
そっと過去を振り返る。
味わった喜怒哀楽のすべてが、
懐かしく美しいと感じられたら、
人は笑って死ねるのだろうか?
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