後輩の、
子会社から親会社への出向が正式に決まった。
こちらとしては、
ついに来たかと楽しみなのだけど、
親会社の方では黒船来襲、
みたいな感んじで戦々恐々だ。
それはわかる。
会社の狙いは今回の1人を蟻の一穴に、
どんどん子会社から送り込む算段なのだ。
給料が段違いなのだから、
子会社の人間を使った方が安上がりだからだ。
しかも能力は遜色ない。
いや、
今回の後輩は多分、
本社に行っても同等かそれ以上にやれるだろう。
曲がりなりにも本社にいた僕にはわかる。
ただ、
後輩がこれから味わう苦労もわかるだけに、
一概に喜んでばかりもいられない。
本社の人間にとってみれば、
自らの職場がいわば侵犯されるわけで、
面白いわけがない。
仕事面だけでなく様々な場面で注目されるし、
失敗すれば、
やっぱり子会社の人間だからという目で見られるだろう。
それでも彼はうまく乗り切るだろう。
それだけの人材なのだ。
こちらとしてもスーパーエースが抜けるわけで、
ダメージは大きい。
全体として会社の経費節減に加担するわけで、
心苦しい面もある。
でもこれも時代の流れだし、
子会社の人間にその先の道筋が見えたことは大きい。
僕はただ、
彼に続く人材を育てるべく頑張るだけだ。
とはいえ、
僕も心中複雑だ。
本社から出向している身として、
自分ではなく子会社の人間が先に本社に行く。
でもそこはもう諦めないといけない。
素直に喜ばねばと思う。
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