2008年6月14日土曜日

衝動買い

ぼくが唯一持っているクラシックのCDは、
グレン・グールドが1983年に発表した、
「ゴールドベルク変奏曲」だ。

この年に大学に入学したから間違いない。
当然CDではなく、
東京の狭い下宿近くのレンタルレコード店で借りたのが最初だ。
そのレンタル屋ではなんと、
カセットにダビングまでしてくれた。
著作権などが大して問題にされなかった、
今の中国のような時代だ。

ともかくこの演奏はひどく気に入り、
今はCDが部屋にある。

彼の衝撃的なレコードデビューもこの曲で、
つまり彼は何十年かしてセルフリメイクした訳だ。
彼はその後すぐ、
50歳で亡くなった。
デビュー作と遺作がこの曲になった。

演奏会嫌い、
革命的な曲解釈など、
特異な側面が多く語られる彼だけど、
クラシックに詳しくないぼくでも、
このゴールドベルクの演奏からは、
尋常でないレベルでの崇高なるものを感じる。

さて、
なんでこんな事を書いているかというと、
先日NHKで彼を紹介する番組を観たからだ。
その中で、
彼の死の床には夏目漱石の「草枕」が置かれていた、
というエピソードがあった(はず)。
「智に働けば角が立つ。。。」の一節が有名だけど、
ぼくは読んだことがない。

とても印象に残ったので、
すぐに梅田の紀伊国屋で岩波文庫版を買いました。

0 件のコメント:

コメントを投稿

遺志

30日は親父の13回忌だ。 あーそんなになるのか、 と言うのが率直な感想。 親父が亡くなる直前、 僕は酒を辞めた。 復職して最初のボーナスが出た日、 入院していた病院に行って報告した。 もう親父はかなり弱っていて、 ほとんど喋れなかった。 でも...