好きである事。
嫌いである事。
どちらも、
大きくくくれば「愛」だ。
愛の反対語は嫌ではなく、
無関心だと。
原田知世主演のドラマ「紙の月」。
主人公の女性は、
何かの役に立てないなら、
生きている意味がない。
みたいなことを信じている女性だ。
専業主婦なのに子宝に恵まれず、
自分は何のために存在しているのか、
わからなくなって、
とりあえずパートを初めて、
そこで人生を狂わせる出会いをする。
いや、
狂わせるというより、
彼女にとっては、
たとえそれが悪事であっても、
誰かに必要とされていること自体が、
喜びだったのだろう。
2回目も見ずに、
ずいぶん勝手なことを書いている。
悪事がバレて、
みな異口同音に言う。
あの●●がねぇ。
でも、
彼女の学生時代のエピソードを知ると、
少し見方は変る。
彼女はお嬢様学校に通っていた時、
親のカネで50万円を難民救済かなにかに寄付してしまう。
それは学内でちょっとした話題になる程度のことだったのだけど、
彼女的には誰かの為に役立ちたい一心だった。
とても真面目なんだけど、
歯車がちょっと狂うと、
軌道修正できない。
世の中の子宝に恵まれぬ専業主婦が、
すべて犯罪に走るわけでは当然なく、
むしろ彼女の方が例外中の例外。
でありながら、
だれもがいつ落ちても不思議じゃない落とし穴が、
この世の中にはボコボコ空いている。
それを人は堕落などと簡単に言うけど、
例えて言えば、
人生っていうのは、
すごい渓谷にかかった吊り橋を渡るようなものだ。