2014年1月6日月曜日

際物

会社の喫煙室で夕方、
桂小枝が賃貸の不動産物件を紹介する、
テレビ番組を見ていたら、
やたらとニッチの多い家だった。

ニッチって、
つまり壁の窪み。

物を置くには奥行きがなさすぎる。

でも、
なんとなく空間を広く感じさせる効果があるそうで、
その家には確か80近いニッチがあった。

ニッチには、
ほかにも隙間という意味がある。

ニッチ産業とか言うよね。

そういえば、
ぼくがジャズボーカルを始めたのも、
男性が少ない隙間産業としてだったような。

てなことがあって、
録画した情熱大陸を、
帰宅してから見たら、
ゴールデンボンバー。

はっきり言って、
まったく興味なかったんだけど、
実に面白かった。

あのバンド、
楽器は実際には弾いていない「エアバンド」。

そんなことすら知らなかった。

紅白の録画も当然のようにスルーしてた。

ボーカルの鬼龍院翔という名前がすでに、
キワモノなのだけど、
彼が曲も詩もすべて作っているという。

3分でソールドアウトしたという、
ライブに詰めかけたファンによると、
その詩がいいんだとか。

彼は作詞をマクドの紙ナプキンに書いているというのも、
いかにもキワモノな話しだけど、
彼いわく、
その雰囲気が自然な言葉を生み出すのだそうだ。

会いたいのに会えない。

それはわかる。

今行けば、
まだ学校にいるかも。

おー。

そういう感性は、
ぼくの中にはもうどこにもないな。

ライブでは、
歌っている彼を除けば、
あとの3人はほとんどコミックショーの団員。

でも、
「女々しくて」という大ヒット曲は、
昨年のカラオケで最も歌われたそうだ。

100のバンドがあって、
99がかっこ良かったら、
1つのダサいバンドが目立つじゃないですか。

彼なりの芸能界で生き残る哲学だ。

キワモノサラリーマンとしては、
なかなか共感できる人物だった。



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