2014年1月11日土曜日

不意

高校の体育の授業で、
テニス部でペアを組んでたK間君と、
試合することになった。

K間君はぼくより小柄だったけど、
運動神経はぼくと比べ物にならないくらい良く、
油断していたわけじゃなかった。

なのに。

試合開始30秒もたたないうちに、
K間君はぼくの懐にフッと入ると、
次の瞬間、
ぼくは畳にたたきつけられていた。

ものの見事な一本背負い。

あまりの鮮やかさに、
恥ずかしい気持ちも、
悔しい気持ちもわかず、
まさに呆然としていたのを、
いまだに覚えている。

そんな感じで今日、
今度は後輩に一本とられた。

あの時と同じように、
油断していたわけではなかった。

警戒レベル1ぐらいはあった。

一瞬気を緩めた瞬間、
後輩は技をかけてきた。

お見事。

今回は、
相手が後輩だけに、
K間君に投げられた時よりは、
いくぶん悔しさが勝ったけど、
それを見て喜んでいる人がいるんだから、
まぁ、
よかったんじゃないの。

腕上げたな。

でも、
その手はもう二度と食わないぜ。

鳴尾の後輩よ。

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