叔父の通夜の会場は、
いつも映画を観ているTOHOシネマズのすぐ前の、
葬儀会館だった。
しかしなんだ、
喪服で自転車に乗るのは様にならないな。
しかも、
ほぼ映画を観に行く道順で。
母は、
先に亡くなったもう一人の兄の嫁さんと、
席に座ってペチャクチャ喋っている。
あのお花がどうだとか、
お坊さんの衣装がどうだとか。
それがまた耳が遠くなったせいか、
声がでかい。
親族、
それも親子ではなく、
きょうだいだからこそ許される振る舞いだろう。
他人だったら顰蹙なのは間違いない。
なんどもヒヤヒヤしたが、
それはそれなりの母の寂しさの裏返しだったのだろう。
何より、
その葬儀会館は母が、
自分が死んだ時のために、
積立?している場所なのだ。
兄の通夜と自分の通夜がかぶっていたに違いない。
最後に叔父の死に顔を拝見した。
歌丸さんみたいな、
穏やかな顔だった。
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