2017年10月28日土曜日

通夜

叔父の通夜の会場は、

いつも映画を観ているTOHOシネマズのすぐ前の、

葬儀会館だった。

しかしなんだ、

喪服で自転車に乗るのは様にならないな。

しかも、

ほぼ映画を観に行く道順で。

母は、

先に亡くなったもう一人の兄の嫁さんと、

席に座ってペチャクチャ喋っている。

あのお花がどうだとか、

お坊さんの衣装がどうだとか。

それがまた耳が遠くなったせいか、

声がでかい。

親族、

それも親子ではなく、

きょうだいだからこそ許される振る舞いだろう。

他人だったら顰蹙なのは間違いない。

なんどもヒヤヒヤしたが、

それはそれなりの母の寂しさの裏返しだったのだろう。

何より、

その葬儀会館は母が、

自分が死んだ時のために、

積立?している場所なのだ。

兄の通夜と自分の通夜がかぶっていたに違いない。

最後に叔父の死に顔を拝見した。

歌丸さんみたいな、

穏やかな顔だった。




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