藤井聡太の1年を追ったNスペは、
なかなか興味深かった。
彼の強さを特徴づけている、
詰将棋。
子供の頃通った教室では、
子供たちに目隠しさせ、
駒の配置を記憶させ、
さらに頭の中の盤上で解かせる。
これはかなり厳しい訓練だと思うけど、
かなり鍛えられるだろうな。
ただ、
じゃあその将棋教室の子供が、
みんな強くなるわけじゃない。
藤井聡太はその詰将棋が好きで好きでたまらなかった。
これまでに解いた数は1万だという。
さらにこの将棋教室では、
子供らにある映画を見せる。
燃えよドラゴンだ。
ブルース・リーが、
敵にやられて絶体絶命でも、
諦めない。
勝負は頭脳の格闘技だと、
将棋教室の先生は言う。
最後にものをいうのは、
闘争心なんだと。
これはすでに知っていた話だけど、
29連勝の中で、
絶体絶命に陥った場面があった。
その時彼が放った手は、
相手に二択を迫るもので、
片方を選べば勝ち、
もう片方なら負けというものだった。
でも、
意表を突かれた相手はすでに1分将棋になっていて、
読み切ることはできない。
どちらが正しいか、
十数手を読み切らなければならなかったからだ。
相手は間違え、
藤井は土壇場で大逆転した。
人間対人間ならではの勝負。
AI相手なら間違いなく負けていただろう。
将棋の面白さは、
人間対人間の戦いだからだ。
その藤井聡太も、
トップ中のトップ棋士にはまだ叶わない。
森内九段には勝ったけど、
あれは持ち時間が極めて短く、
若手の藤井聡太に有利だった。
がっちりタイトル戦を争って、
トップ棋士に勝てる力はまだない。
しかし400年に一人の天才と言われる彼だ。
早晩、
将棋界を席巻する日が訪れるだろう。
何せ、
将棋がなかったら生きていけない、
とまで言ったのだ。
あの天才が。
こんなに恐ろしいことはないではないか。
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