嬉しい銅の高梨、
悔しい銀の高木。
対照的な二人だった。
高梨は4位から3位。
順位はたった一つ上がっただけだけど、
そのために4年間苦しみ抜いた。
本人が一番ホッとしているだろうけど、
見ているこちらも嬉しいというよりホッとした。
これで彼女は呪縛から解き放たれた。
競技者として、
という言葉を何度も口にした。
次の4年はこの4年とは全く違ったものになるだろう。
高木は天才少女と呼ばれながらバンクーバーで結果を出せず、
ソチの時は代表にすら選ばれなかった。
だけど今シーズンは絶好調で、
本人も周囲も1500の金を期待していただけに、
悔しいだろう。
ただ彼女はそれでもメダルを獲った。
前回の高梨とはそこが違う。
相手がいる。
自然条件など運もある。
世界大会で表彰台に上がったことすらない原が、
一発でメダルを獲る。
それも五輪だ。
どの選手にも物語がある。
それを僕らが共有しているかどうか。
それによって同じメダルでも、
見ている方が受ける思いは大きく違う。
典型的なのは卓球の愛ちゃんだ。
彼女は子供の頃から国民が成長を見守ってきた。
だからメダルを取ればこちらも大喜びし、
負ければこちらも悔しい。
いろんな思いを抱きながら、
今回も五輪を観戦している。
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