2018年2月14日水曜日

物語

嬉しい銅の高梨、

悔しい銀の高木。

対照的な二人だった。

高梨は4位から3位。

順位はたった一つ上がっただけだけど、

そのために4年間苦しみ抜いた。

本人が一番ホッとしているだろうけど、

見ているこちらも嬉しいというよりホッとした。

これで彼女は呪縛から解き放たれた。

競技者として、

という言葉を何度も口にした。

次の4年はこの4年とは全く違ったものになるだろう。

高木は天才少女と呼ばれながらバンクーバーで結果を出せず、

ソチの時は代表にすら選ばれなかった。

だけど今シーズンは絶好調で、

本人も周囲も1500の金を期待していただけに、

悔しいだろう。

ただ彼女はそれでもメダルを獲った。

前回の高梨とはそこが違う。

相手がいる。

自然条件など運もある。

世界大会で表彰台に上がったことすらない原が、

一発でメダルを獲る。

それも五輪だ。

どの選手にも物語がある。

それを僕らが共有しているかどうか。

それによって同じメダルでも、

見ている方が受ける思いは大きく違う。

典型的なのは卓球の愛ちゃんだ。

彼女は子供の頃から国民が成長を見守ってきた。

だからメダルを取ればこちらも大喜びし、

負ければこちらも悔しい。

いろんな思いを抱きながら、

今回も五輪を観戦している。

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