2018年2月27日火曜日

勝負

羽生のNHKスペシャルを見ていて、

彼が怪我をしたことで、

五輪を最高の演技の場ではなく、

勝ちに行く方向に転換したのだと言うことがよくわかった。

確実に飛べるジャンプを軸に、

出来栄え点を重視して得点を稼ぐ。

SPで首位に立ったことで、

フリーの演技もジャンプを減らし、

確実に決めて行く。

それが成功すれば、

ショートのリードで逃げ切れる。

そう言う緻密な作戦を立てていたわけだ。

もちろんそれを実行して見せた彼は素晴らしい。

誤算があったとすれば最後の2個のジャンプ。

危ない場面があったけど、

なんとか切り抜けたのは、

彼の持っている気迫と応援をプレッシャーではなく、

力に変える能力があったからだ。

僕は五輪の勝ち方を知っていると、

大会前に言った意味がはっきりわかった。

とにかく自分のベストを尽くす宇野とは、

そこが決定的に違う。

持っている演技構成の次元が違ったことも大きい。

右足の負傷という不幸に見舞われながら、

最後の最後まで勝ちにこだわり続けた精神力。

そこが羽生の羽生たらしめているところだろう。

あえて言えば、

フリーの失敗をも観客を味方につけてしまう、

そういうのは、

最後にものを言ったのは、

何が何でも金をとるというブレない心があったからだと、

本当に納得できた。

痛み止めを飲み、

足をダメにしても金に賭けたアスリートの執念を見た。

金メダルというだけではなく、

まさに銀盤の王と呼ぶのにふさわしい選手だと思った。


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