羽生のNHKスペシャルを見ていて、
彼が怪我をしたことで、
五輪を最高の演技の場ではなく、
勝ちに行く方向に転換したのだと言うことがよくわかった。
確実に飛べるジャンプを軸に、
出来栄え点を重視して得点を稼ぐ。
SPで首位に立ったことで、
フリーの演技もジャンプを減らし、
確実に決めて行く。
それが成功すれば、
ショートのリードで逃げ切れる。
そう言う緻密な作戦を立てていたわけだ。
もちろんそれを実行して見せた彼は素晴らしい。
誤算があったとすれば最後の2個のジャンプ。
危ない場面があったけど、
なんとか切り抜けたのは、
彼の持っている気迫と応援をプレッシャーではなく、
力に変える能力があったからだ。
僕は五輪の勝ち方を知っていると、
大会前に言った意味がはっきりわかった。
とにかく自分のベストを尽くす宇野とは、
そこが決定的に違う。
持っている演技構成の次元が違ったことも大きい。
右足の負傷という不幸に見舞われながら、
最後の最後まで勝ちにこだわり続けた精神力。
そこが羽生の羽生たらしめているところだろう。
あえて言えば、
フリーの失敗をも観客を味方につけてしまう、
そういうのは、
最後にものを言ったのは、
何が何でも金をとるというブレない心があったからだと、
本当に納得できた。
痛み止めを飲み、
足をダメにしても金に賭けたアスリートの執念を見た。
金メダルというだけではなく、
まさに銀盤の王と呼ぶのにふさわしい選手だと思った。
0 件のコメント:
コメントを投稿