2019年3月5日火曜日

差別




















先日のレイトショー。

米アカデミー作品賞に輝いた。

公民権運動が盛んだったケネディ大統領時代の米国。

黒人と白人が車で南部を旅するロードムービー。

いろんな経験を経て互いに少しずつ理解するという、

まぁ、

これまでにもあったストーリーなんだけど、

この作品が変わっていたのは、

黒人がロシア留学した天才ピアニストで、

白人がイタリア系で血の気の多い粗暴な男という設定。

さらに、

黒人は天才がゆえに英才教育を受けていて、

カーネギーホールの上の豪邸に住んでいる。

だから当時の一般的な黒人にも馴染めない、

二重の意味で孤独だという点。

さらにゲイだという極めて複雑な人物だ。

自らのアイデンティティに苦悩する。

黒人が南部を旅するというだけで大変な時代。

宿もレストランもトイレさえ黒人専用があった。

一人でパブに行こうものならたちまち白人に取り囲まれて殴るける。

そんな中で彼はひたすら尊厳を保とうとする。

その姿勢に白人男は感銘を徐々に感じる。

何事も暴力で解決してきた自分を省みる。

決して重い感じじゃなくて、

笑いどころもちょいちょいあって、

確かに作品賞をとるにふさわしい。

実に良い映画だと思う。

ただ僕には味付けがややマイルドで、

意外性には乏しかった。

いい映画なのは確かだけど、

突き刺さるものがなかったのも事実。

感情がひどく揺さぶられることはなかった。

ただ、

南部の農場で奴隷のように農作業する黒人が、

高価な服装を着て、

白人が運転する高級車の後ろに乗っている姿を見る目。

あの目は印象的だったな。

ちなみにグリーンブックとは、

当時、

黒人が宿泊できる安宿を紹介した本のこと。

●火曜日に元町に参ります。よろしくお願いします。

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