横山秀夫の新作「ノースライト」が面白かった。
バブルがはじけて仕事がなくなり、
夫婦仲がおかしくなって離婚して、
自堕落な生活をしていた建築士の元に舞い込んだ、
思いもかけぬやりがいのある家の建築。
没頭して完成させるものの、
そこに施主が住んでいないことが判明する。
一見ミステリー仕立てながら、
警察も探偵も出てこず、
ひたすら建築士の視点で物語は進む。
務める弱小事務所が美術館のコンペに参加することになり、
そこにも暗雲が立ち込め、、、
とにかく、
挫折した男が再生して行く様子が心を打った。
とにかく横山秀夫という作家は、
男の心情を描くのがうまいなぁと感じた。
人間も何十年か生きていると、
誰しも挫折もするし悩みながら生きざるを得ない。
そこからどう立ち直るのか。
ググッと引き込まれた。
元々建築やデザインに興味があるせいもあるだろうけど、
ほぼ一気読みしてしまった。
前作「64」から6年。
渾身の小説を仕上げるのには、
それぐらいの歳月が必要なんだな。
興味がある人は是非ご一読を。
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