2019年3月31日日曜日

洗車

ジムニー君の初洗車。

雨だというのに実施したのには訳がある。

ケルヒャーの高圧洗浄機を使うからだ。

やったことないから不明なんだけど、

結構派手に水しぶきが飛び散りそうな予感。

隣近所に迷惑をかけないために、

あえて雨の日を選んだのだ。

で、

そのケルヒャー。

これを買ったのは10年以上前。

酔った勢いでジャパネットで手に入れた。

最初こそ、

家の塀を新品同様に綺麗にして感動したけど、

所詮衝動買い。

その後ほぼ物置にしまわれていたのだが、

ついに日の目をみる時がきた。

ちゃんと動いたのには感動した。

まぁ水洗いしただけなんだけど。

10年。

物置で眠っている間に、

僕は車を手放し、

酒をやめ、

様々なことがあった。

そして再び物置から取り出して、

ジムニー君に使う。

なんか、

あのボロボロの時のことを思い出しながらの洗車は、

感慨深いものがあった。

そもそも僕は洗車をするたちじゃなかった。

前のスカイラインもヴィッツも、

面倒臭くて全部洗車場で済ましていた。

それが曲がりなりにも自分の手で車を洗っている自分に、

我ながら感心した。

よくぞ10年押し入れで、

再び日の目をみる日を待っていてくれたよ。

ありがとうな、

ケルヒャー君。

これからもよろしく。




2019年3月30日土曜日

個性

ショーケンといえば、

太陽にほえろ、

前略おふくろ様、

傷だらけの天使、

が代表作なんだけど、

僕は実はどれもほとんど見ていない。

太陽に吠えろは松田優作からだったし、

他の作品も特に見ていなかった。

僕がショーケンで一番印象深いのは、

映画「誘拐報道」だ。

読売新聞大阪本社が書いた実際の誘拐事件をめぐる本を題材にした、

1983年の映画。

この作品で犯人役を演じたショーケンは、

日本アカデミー賞主演男優賞を受賞している。

代表作と言っていいはずなのに、

新聞の訃報でこの作品に触れられていないのが不思議だった。

彼が作り出したワイルドな男性像は、

その後松田優作に塗り替えられた気がするけど、

演技者として唯一無二の存在感は圧倒的だった。

68歳はあまりにも若すぎる。

松田優作といい、

ワイルドなイメージとは裏腹に、

本当に神経が細やかな人だったのかなぁと思う。

どこか芸能界に馴染めない孤高の人というイメージもある。

強烈な昭和の個性が消えてしまった。


2019年3月28日木曜日

鈍化

以前乗っていたスカイラインを買って2日目のこと。

嬉しさのあまり夜中に2階の窓を開けて、

家の前のピカピカの新車を眺めようとした。

その瞬間、

あろうことか、

窓の網戸がレールから外れて、

真下の車に向かってヒラヒラと落下した。

その時の心の動きは今も覚えている。

どうか水平に車に覆いかぶさるように落ちてくれ、、、

でも残念なことに、

と言うか最悪なことに網戸は斜めに角からボンネットに当たった。

階段を駆け下りて車を見たら、

ボンネットに数センチの傷がしっかりついていた。

ショック。

すぐにディーラーを呼んで修理したけど、

数万円かかった。

で。

ジムニーくんは今のところ無傷だ。

でもいずれ傷つくことがあるだろう。

その時僕はあの時のようなショックは受けない。

傷ついても数ヶ月もすれば受け入れることが分かっているからだ。

だがそのことは良いことなのだろうか?

大人になるにつれて喜怒哀楽にバリアが張られてしまった。

それはある意味心の安定であり、

大人の落ち着きということなのだろう。

形あるものはいずれ壊れるし、

生きていれば喜びも悲しみも苦しみもある。

でも、

いずれ時が感情を薄れさせる。

それが分かっているから、

何があっても必要以上に心をかき乱されることはない。

ただそれは言い換えれば、

感情の鈍化と紙一重だ。

バリアが張られた感情には、

真の喜怒哀楽は訪れない。

自己防衛反応がいつの間にか自分の感情を鈍化させている。

それは本当に良いことなのだろうか。

これは不可逆的なもので、

もう20代の頃のようなむき出しの感情は現れないのだろうか。

バリア。

埃。

錆。

心を覆ったものは、

もう取り除くことはできないのだろうか。

穏やかな人。

それは褒め言葉なのだろうか。


2019年3月27日水曜日

実情

ファクトフルネスという本を読んだ。

貧困や戦争や疫病、

そういう人類を不幸にする出来事は、

この数十年で確実に減ってきているという事実を、

ちゃんと認識することが大事だと説いている。

僕らは自分で思っているよりはるかに世界の現状を知らない。

それはノーベル賞学者でさえそうなのだと著者は言う。

世界の現状を知らないで、

一体どうやって未来を語れるのかと言う。

そう言われれば、

僕が漠然と抱いている世界情勢は、

数十年前に学んだこと、

あるいはメディアの一部の報道による、

印象に過ぎない。

でも10年も経てば状況は変わる。

なんとなく世界を悲観的に捉えがちだけど、

人々の努力で確実に「マシ」になっているのだと。

もちろん現状でも問題はたくさんある。

それらは解決していかないといけない。

ただ古臭い印象だけで世界を捉えていると、

大きな間違いを犯すと言う。

今後30年も経てばインドやアフリカの多くの国は凄まじい発展を遂げて、

先進国の仲間入りをする。

アフリカの人は皆、

高等教育を受けられず、

裸足で水汲みをしているわけではないのだ。

世界は今日も大きく進歩している。

あぁ自分は何も知らない。

印象だけで語る危険を教えてくれた。

必読の書だと思った。


2019年3月25日月曜日

操縦

まいジムニー君で、

姪の住む三木までドライブした。

同乗者は母。

高速に乗り1時間。

最初はちょっと緊張したけど、

すぐに感覚を思い出した。

10年間になる。

10年間、

全く車を運転していなかった割りには上出来だ。

それ以上に自分で驚いているのは、

マニュアル車を運転できているということ。

30年以上前に免許取りたての頃、

親父の車がマニュアルだった以外、

社会人になってからはずっとオートマしか乗らなかった。

なのになんとなく体が感覚を覚えている。

少なくとも公道でエンストすることはない。

よく、

もうマニュアルなんて乗れないよ、

という人がいて、

自分もそうだと思い込んでいたけど、

免許をマニュアルで取ったのなら、

絶対に乗れる。

この僕でさえ乗れるのだから。

マニュアルは自分で操縦している感覚が、

オートマより圧倒的に強くて面白い。

渋滞では少々疲れるけど。

つくづくマニュアルにしてよかった。

もしマニュアルを諦めている人がいた強く言いたい。

あなたは出来ると。

何事もチャレンジだ。

チャレンジこそが自分の可能性を広げる。

現状に甘んじていては、

加齢とともに縮小していくだけだ。

諦めは死と同然だ。

そんなことを最近つくづく感じる。

2019年3月24日日曜日

再生

横山秀夫の新作「ノースライト」が面白かった。

バブルがはじけて仕事がなくなり、

夫婦仲がおかしくなって離婚して、

自堕落な生活をしていた建築士の元に舞い込んだ、

思いもかけぬやりがいのある家の建築。

没頭して完成させるものの、

そこに施主が住んでいないことが判明する。

一見ミステリー仕立てながら、

警察も探偵も出てこず、

ひたすら建築士の視点で物語は進む。

務める弱小事務所が美術館のコンペに参加することになり、

そこにも暗雲が立ち込め、、、

とにかく、

挫折した男が再生して行く様子が心を打った。

とにかく横山秀夫という作家は、

男の心情を描くのがうまいなぁと感じた。

人間も何十年か生きていると、

誰しも挫折もするし悩みながら生きざるを得ない。

そこからどう立ち直るのか。

ググッと引き込まれた。

元々建築やデザインに興味があるせいもあるだろうけど、

ほぼ一気読みしてしまった。

前作「64」から6年。

渾身の小説を仕上げるのには、

それぐらいの歳月が必要なんだな。

興味がある人は是非ご一読を。

2019年3月23日土曜日

人選

次の元号が何かが話題だけど、

僕としては東京五輪の最終聖火ランナーが誰になるのかが気になる。

今後50年は2020東京五輪といえば、

その映像が流れるのだ。

引退したイチローなんてどうだろう?

あぁでも彼はオリンピックに出たことがないんだよな。

オリンピアンは最低条件だったと思う。

これまで最高だと個人的に思うのは、

何と言ってもアトランタ五輪のモハメドアリだ。

すでにパーキンソン病に侵され震える手で、

それでも聖火台に立つ姿は本当に感動的だった。

果たして日本人でふさわしい人は誰だろう?

ハンマー投げ室伏?

柔道の野村?

同じく柔道の山下?

水泳の北島?

色々思い浮かぶけど、

やっぱりアリほどのインパクトはないような。

現役を退いていて世界的に著名なアスリート。

やっぱり僕としてはイチローなんだけどなぁ。

調べたら羽生結弦や稀勢の里なんて声もある。

あるいは女性という選択肢も当然ある。

澤穂希、

吉田沙保里。

高橋尚子。

でも本音を言えば、

想像を超えて、

それでも合点が行く人がいい。

こんな時は想定外なほど感動する。

もし池江璃花子の体調が回復したら、

競技は無理でも成果はどうだろう?

それとも被災地ゆかりの人か。

考えれば考えるほどわからなくなる。


2019年3月22日金曜日

伝説

この日が来ることは予測していた。

でも、

こんな形で突然やって来るとは。

長年いとも簡単にヒットを打ち続けていた男が、

これほどまでに打てない。

それは逆に、

全盛期の凄まじさを思い知らされた。

イチローは天才的な才能の持ち主だ。

でも、

彼についてより印象的なのは、

野球にかける尋常ならざるストイックさだ。

来る日も来る日も同じトレーニングのメニューをこなし、

それを30年近く続けたことだ。

会見で語っていたけど、

野球への愛が最後まで途切れなかった。

50歳まで現役を掲げていたのに、

それに対する努力も何一つ手を抜くことなく続けてきたのに。

それでも衰える。

イチローも人間だった。

だからこそ成し遂げたことの偉大さを改めて感じる。

彼と同じ時代に生きていることを感謝する。

日本が世界に誇るウルトラスーパースター。

最後の笑顔は自分と周囲への限りない賛辞。

死にはしないですけど、

死んでもいいと言うのはこう言うことを言うんだと思います。

彼は言った。

燃え尽きるその時まで一切手を抜かず、

イチローは正真正銘の伝説になった。


2019年3月21日木曜日

墓参

春のような陽気。

たまたま休みだったので、

ジムニー君に母を乗せて一緒に墓参り行った。

顰蹙を覚悟で言うと、

僕は親父が死んで納骨してから墓参に一切行っていなかった。

10年ぐらい?

母は毎年2回は必ず電車で行っていた。

車を手に入れた以上、

これはいかないといけないな。

心が動いた。

墓は伊丹にあって、

電車なら往復2時間かかるけど、

車なら1時間で済む。

墓石を洗い、

花と線香を指して一緒に拝んだ。

親父は死ぬ間際、

お袋を頼むと言って死んだ。

10年越しの親孝行。

親父は気に入ってくれただろうか。


2019年3月19日火曜日

野心

●●さんに野心はないんですか?

いきなり後輩に言われて驚いた。

仕事における野心。

そんなものは数年前にすっかり無くしていた。

そしてその後輩はこうも言った。

●●さん、

本社に帰ろうなんてさせませんよ。

なぜか知らないけど、

その後輩は僕を過大評価しているのだ。

僕がかつて大失敗をして、

今の職場に飛ばされたと言うことも知っているのに。

正直に嬉しかった。

もう会社人生は終わって、

淡々と仕事をしているはずの僕に、

そんな期待をしてくれているなんて。

まぁ、

次々と出向組が本社に引き揚げていると言う状況があるからなのだが。

後輩は、

今の部署で中心になって若手を指導できるのは僕だけだと言う。

はっきり言って、

今の部署は危機的状況が来るのだ。

だから頼られているわけなのだが、

やっぱり嬉しいよな。

本社に戻る気はもうすっかりないんだけど、

今の部署もそれほど長くないと思っていたのに。

そんなこと言われちゃったら、

辞めどきが難しくなるじゃないか。

でも僕はグイグイ引っ張るタイプじゃないんだよな。

昔は先頭に立つのが好きな方だったけどな。

もし矢面に立たされることになったら、

それは頑張らないといけないだろう。

今の職場の若い人は失意でボロボロだった僕に、

新鮮な驚きをくれた。

ある意味彼らのおかげで立ち直れた。

その恩には報いないといけないだろう。

そんなことを考えながら帰りの電車に揺られていた。


2019年3月17日日曜日

戦慄

ニュージランドの乱射事件で、

容疑者が生中継したと言う映像を、

youtubeでちょっとだけ見た。

不謹慎かもしれないけど、

まるでシューティングゲームを見ているようだった。

目の前の人に自動小銃を人に向けて平然と連射して、

ずんずん突き進んで、

逃げようとする人にも容赦なく連射して、

撃たれた人は本当にゲームのようにバタリと倒れて。

まさにゲームの世界を現実でやってみたと言う感じ。

ノルウェーで2011年にあった77人が犠牲になった事件は、

映画化されて現在公開されている。

そんなタイミングで起きた。

クライストチャーチもそうだけど、

およそそんな残虐な事件とは無縁な場所で起きた両事件。

やっぱり銃はいかんよ。

特に自動小銃とか一般人に売るなよと。

拳銃ならいいと言うわけではないけど、

今回ほどの犠牲者は出なかったはずだ。

クライストチャーチって、

東日本大震災の直前に地震があったとこだよね?

日本で何も起こらなければいいんだけど。




2019年3月16日土曜日

蜘蛛




















本日のレイトショー。

米アカデミー賞長編アニメ映画賞を始め、

今年の映画祭で軒並み受賞した話題作。

ストーリーは、

パラレルワールドもので目新しさはないけど、

とにかく映像がすごかった。

アメコミのCGなんだけど、

3次元的な描写と2次元的業者が複雑に入り混じっていて、

何よりスタイリッシュ。

かと思えば日本アニメ風キャラも出てくるなど、

非常に凝った作りになっている。

でもストーリーが単純なだけに、

置いてきぼりになることはなく、

一気に駆け抜けた感じ。

最近、

実写とCGの融合とかが進んでいるけど、

本作はアニメの可能性を追求し尽くした感じ。

いやそれにしても今の日本でこう言う作品は作れないだろうけど、

日本風アニメに対するリスペクトが随所に感じられて、

悪い気はしなかった。

にしてもマーベル作品の映画が本当に多いなぁ。

2019年3月14日木曜日

自粛

ピエール瀧なぁ、、、

特に好きと言うわけではないけど、

映画やテレビで最近特に活躍していただけに、

本当に驚いた。

元々は電気グルーブの人だから、

クラブ的なノリで薬物には近かったのかもしれないけれど、

最近はすっかり役者業に励んでいて、

大好きなあまちゃんにも寿司店の店主役で出ていた。

NHKにも重宝されていたから、

身辺はクリーンなんだと勝手に思っていた。

今年は電気グルーブ30周年ツアーをやっていて、

やっぱりあのテンションを維持するためにやっちゃたのかなとか、

推測したりして。

僕と同年代で成功していながら、

全てを台無しにしてしまった。

それはともかく、

今回の逮捕で彼の出演作が軒並み自粛となっている。

私見だけど、

現在進行形の作品はともかく、

過去の映画や音楽作品についてはその必要があるのかなと思う。

過去作に罪はないだろ。

大好きなあまちゃんまでネット配信は自粛だとか。

作品は彼だけが作ったわけじゃない。

関わった全ての人の苦労を無にするのはあまりに惜しい。

現在出演中や放映中のものは打ち切りを含め仕方ないと思うけど。

どっかで線引きしないと何もかも活動全てを否定するのはどうかと思う。

そんな考えは「あまちゃん」と言われる時代なのだろうか。

まぁ自粛はあくまで自粛だから、

ほとぼりが冷めたら解禁になるだろうか。

そう願いたい。

2019年3月13日水曜日

嘔吐

朝食の時は問題なかった。

それから二度寝して起きようとしたら、

めまいが。

なんとかベッドを出たものの、

冷や汗が額からポタポタ落ちてきて、

Tシャツもあっという間にぐっしょり濡れた。

トイレで3度吐いた。

頭はふらついたけど、

会社を休むわけにはいかない。

いや本当は休もうかと思った。

それほど急激にひどかった。

でも気合を振り絞った。

吐いたおかげでちょっとマシになったのも大きかった。

あんなタイミングで休んだら他人に迷惑をかけるのは必至だ。

それだけは避けたい。

自転車をふらつきながら漕いで、

電車の中では視線を移動させないようにしていた。

出ないと目が回りそうだったからだ。

職場の仮眠室で1時間寝たらだいぶマシになった。

仕事ははっきりと手抜きしたけど、

なんとか穴を開けずに仕事を終えた。

それが大事なのだ。

会社の2人にだけ打ち明けた。

そこは昔と変わったところだ。

以前なら決して誰にも弱みは見せなかっただろう。

少し早めに帰宅することにはほぼ治っていた。

一体何が原因かさっぱりわからないけど、

朝食に原因があるように思うのだが、

作ってくれた母には何も言わない。

ただ人間って脆いな。

ちょっと吐いただけで不安が襲う。

その不安は会社に行けるかが大きい。

つくづく昭和人間だなと思った。

2019年3月12日火曜日

星空

震災の夜、

被災地には満天の星空が広がったそうだ。

8年が過ぎて、

早くも風化が心配されている。

メディアの扱いも徐々に分量が減っている。

新しい「ネタ」がないらしい。

そんなこと言わず、

毎年、

あの頃の報道やドキュメントを繰り返し流せばいいと思う。

政府は復興が進んでいると言う。

確かに土地のかさ上げや新しい建物、

除染もそれなりに進んでいるようだ。

被災者の心にも少し変化が出ているように報じられる。

でも僕はあの日のことを昨日のことのように覚えている。

自宅のテレビで津波を見て、

出勤の途中、

梅田を楽しそうに歩く人たちを見て、

今大変なことが起きているんだぞと、

心の中で言い続けた。

怒涛のような仕事が続いた。

はっきり言って、

あんまり何をしたのか覚えていない。

そして原発が爆発した。

その衝撃は物凄かった。

年月がたてば人の記憶は薄れる。

悲しみや痛みも徐々に薄らぐだろう。

それは人間の生存本能として当然かもしれない。

あの時のショックをずっと持ち続ければ、

おそらく精神を病んでしまう。

忘れることは個々人にとっては必要なことかもしれない。

でもだからこそ、

年に一回は国民みんなが思い出さないといけない。

東日本大震災が風化するようでは、

熊本地震も西日本豪雨も北海道地震も、

あっという間に忘れられてしまう。

被災者の皆さんには辛いかもしれないけど、

毎年、

あの津波や原発の爆発の映像は流すべきだと思う。

何と言っても南海トラフ地震が迫っているのだ。

あの年の秋、

被災地に行っておいて良かった。

荒涼とした名取市閖上地区で、

ふとみたグーグルマップ。

そこに映ったのは、

住宅や商店が立ち並ぶ確かな町だった。

それが跡形もなく消えていた。

一瞬にして町が消えてしまったのだと思い知った。

あの空気を吸っておいて本当によかった。

そして、

あの頃思った気持ち。

生き残った者の義務。

僕はその義務を果たしているだろうか。

2019年3月10日日曜日

秀作




















本日のレイトショー。

クリント・イーストウッド10年ぶりの監督主演作。

10年前のグラン・トリノが傑作だったので、

これは観るでしょ。

と言うか、

イーストウッドの監督作品はとりあえず見てきているんだけど。

グラン・トリノが白人の老人とアジア系移民との触れ合いがテーマだった。

本作も主人公は朝鮮戦争帰りの後期高齢者。

家族を顧みず花の栽培に情熱を傾けてきた。

が事業に失敗して差し押さえされてしまう。

離婚した家族との仲はボロボロ。

そんな時、

ひょんなことから麻薬の運搬をすることになり大金を手にする。

その金を退役軍人施設の再建や、

孫娘の結婚パーティーや学費に使う。

そのことで何とか家族に贖罪しようとするのだが、

なかなか認めてもらえない。

そして妻が危篤になるのだが、

ちょうどその時主人公はかつてない量の麻薬を運んでいる最中。

途中で抜け出せば命が危ない。

そこで主人公がとった行動は、、、

いつものイーストウッド監督作品と同様。

余計な描写を省き、

端的に物語を進める。

2時間足らずの作品だけど中身は濃い。

そして何よりイースウッドの圧倒的な存在感。

90歳近い恒例ながら、

周囲の名優の中でもひときわ惹きつける。

実に手堅い秀作だと思う。

でもなぁ、

本音を言えばグラン・トリノが圧倒的だったので、

個人的には絶賛とはいかない。

この作品は実話をベースにしているからか、

どうしても話が地味。

家族との和解の展開も説明不足な気がした。

捜査する側の描写もわかりにくかった。

一言で言えば、

観客を虜にする魔法はかかっていない。

でも、

次の作品があるのかどうかわからない状況で、

これは観るべきだしその価値があると思った。


2019年3月8日金曜日

変装

誰もが不思議に思ったゴーンの変装。

弁護団のアイデアらしいんだけど、

なんとも陳腐で、

第一あの目じゃバレバレで、

もはやギャグ。

でも、

弁護団によるとゴーン氏本人は乗り気だったそうで、

ならば他人がとやかく言うことでもないか。

勝手に、

ビシッと高級スーツで日産の最高級車に乗って堂々と出て行く。

それはこちらの勝手な思い込みで、

ゴーン氏、

案外ウィットのわかる人なのかな?

なんてちょっと好感を抱いたりして。

それが弁護側の作戦なの?

いやいや、

あれっていかにも自分の非を認めているような印象を与えたのではとも思う。

でも、

こっそり出て行くつもりだったと言う割りには、

各社報道の写真はカメラ目線が多かったのも不思議。

考えるほどに???が残る変装保釈だった。

2019年3月7日木曜日

発散

ギターとジムニーのおかげで、

最近の気分は悪くない。

そうすると不思議なもので、

仕事に対する考え方も変わってきた。

これまで10年間、

ひたすら仕事と家の往復。

たまに映画とセッション。

そして年1度の海外旅行。

それで十分じゃないかと思われるかもしれないが、

家に帰ってもお袋とすれ違い。

まぁ味気のないといえばない日々だった。

年1回の旅行とかじゃなく、

日々の楽しみを見つけることで、

思いつめていた心がほぐされる気がする。

ちょっと肩の力を抜いて、

生き方とか深く考えず、

楽しみに身を任す。

それも大事なことだと感じ始めている。

2019年3月6日水曜日

基地

子供の頃、

押入れの中にいるのが好きだった。

あの窮屈で暗くて、

その感じがなぜか怖いというより魅力的だった。

男には秘密基地願望というものがあると思う。

今の僕にはまいジムニーが秘密基地だ。

車を動かすでもなく、

車内で一人じっとしていると、

妙にホッとする。

ついでに言うと、

すでに車中泊マットを買っていて、

助手席側を倒してマットを引けば、

完全にフラットな寝台が出来上がる。

これからぼちぼち基地を充実させて、

どこかへ車中泊で出かけてみたいな。

余談だけど、

カクカクとしたデザインのジムニー、

妙に女子うけが良くてびっくりしている。

そんなつもり全くなかったのに。

でも、

褒められたりすると社交辞令であっても妙に嬉しい。

2019年3月5日火曜日

差別




















先日のレイトショー。

米アカデミー作品賞に輝いた。

公民権運動が盛んだったケネディ大統領時代の米国。

黒人と白人が車で南部を旅するロードムービー。

いろんな経験を経て互いに少しずつ理解するという、

まぁ、

これまでにもあったストーリーなんだけど、

この作品が変わっていたのは、

黒人がロシア留学した天才ピアニストで、

白人がイタリア系で血の気の多い粗暴な男という設定。

さらに、

黒人は天才がゆえに英才教育を受けていて、

カーネギーホールの上の豪邸に住んでいる。

だから当時の一般的な黒人にも馴染めない、

二重の意味で孤独だという点。

さらにゲイだという極めて複雑な人物だ。

自らのアイデンティティに苦悩する。

黒人が南部を旅するというだけで大変な時代。

宿もレストランもトイレさえ黒人専用があった。

一人でパブに行こうものならたちまち白人に取り囲まれて殴るける。

そんな中で彼はひたすら尊厳を保とうとする。

その姿勢に白人男は感銘を徐々に感じる。

何事も暴力で解決してきた自分を省みる。

決して重い感じじゃなくて、

笑いどころもちょいちょいあって、

確かに作品賞をとるにふさわしい。

実に良い映画だと思う。

ただ僕には味付けがややマイルドで、

意外性には乏しかった。

いい映画なのは確かだけど、

突き刺さるものがなかったのも事実。

感情がひどく揺さぶられることはなかった。

ただ、

南部の農場で奴隷のように農作業する黒人が、

高価な服装を着て、

白人が運転する高級車の後ろに乗っている姿を見る目。

あの目は印象的だったな。

ちなみにグリーンブックとは、

当時、

黒人が宿泊できる安宿を紹介した本のこと。

●火曜日に元町に参ります。よろしくお願いします。

2019年3月4日月曜日

男心




















車買いました。

スズキ新型ジムニーJB64W。

世界で唯一無二の軽四サイズの本格4駆。

数年前から何度も訪れた車欲しい衝動が、

ついに抑えきれなくなった。

とはいえ、

実際に買ったのはほとんど勢い。

話は長いので割愛するけど、

いいなぁと思ってたけど、

人気のため新車は1年待ちということだったので、

諦め掛けていたんだけど、

たまたま見たサイトで1700キロ走行の中古を見つけて、

ダメもとで電話したら在庫はあるということで、

その場で見に行く日を決め、

行って一目見て即決した。

何より小さいのがいい。

駐車場に停めても、

僕と母の自転車を無理なく出し入れできる。

そして、

座席がフルフラットになるので車中泊ができる。

男心をくすぐる秘密基地にだってなる。

そして最後に、

あえてマニュアルにした。

クラッチを踏んでギアを入れる感覚は、

メカを操作するという喜びを与えてくれる。

まぁスピードは出ないけど、

ギア操作での加速感は実に楽しい。

自分でも意外なほど操作は覚えていて、

エンストもほとんどしない。

今時珍しいほどの無骨な外観も、

メーカーの心意気を感じた。

たとえれば時計のG-SHOCKに近い。

男はそんなんに実に弱い。

あえて付け加えれば、

南海トラフ対策という面もある。

車中泊ができるのは、

いざとなれば重宝するはずだ。

とまぁそんなわけで10年以上ぶりに手に入れたマイカー。

どんな使い方になるのかはわからないけど、

これもドキドキシリーズの一つだ。

せっかくだから、

流行りのソロキャンプなんていうのにもチャレンジしたい。

2019年3月1日金曜日

代役

同僚がインフルにかかり、

急遽代役を務めることになった。

人員がギリギリなのだ。

統一地方選の準備、

高校入試。

忙しいさなかスクランブル登板だ。

管理職より好きな仕事ではあるけれど、

久しぶりなので楽しみだけどちょっと不安。

仕事を料理に例えると、

できるだけ良い食材が揃うことを願う。

それに腕によりをかけて最高の一皿を作れるか。

日頃後輩にうるさく言っておいて、

下手な料理は作れない。

でもきっと大丈夫。

平凡な食材でもそれなりに仕上げることはできるはず。

20年以上やってきているのだ。

後輩の手本になるような一品を作ってみせる。

遺志

30日は親父の13回忌だ。 あーそんなになるのか、 と言うのが率直な感想。 親父が亡くなる直前、 僕は酒を辞めた。 復職して最初のボーナスが出た日、 入院していた病院に行って報告した。 もう親父はかなり弱っていて、 ほとんど喋れなかった。 でも...