2008年7月4日金曜日

ピアフ

ジャズで言えばビリー・ホリデー。
オペラならマリア・カラス。
演歌はもちろん美空ひばり。

ジャンルは異なれど、
歌にはそれぞれのディーバがいる。

「エディット・ピアフ」(2007年、仏、英、チェコ合作)を観た。
お名前と「愛の讃歌」だけはよく存じ上げておりますのオホホ、
みたいな存在だったが、
まぁ、
そりゃ、
波乱万丈を画に描いたような人生だ。

貧しい家庭に生まれ、
売春宿に預けられる幼年時代。
大道芸人の父と暮らしながら、
シャンソンに目覚める少女時代。
街頭で歌っているところを一流クラブのオーナーに認められ、
大スターへの階段を駆け上がる絶頂期。
身を焦がす不倫と死別、
酒とモルヒネ中毒でボロボロになる晩年。。。

2時間20分によくぞまとめたもんだ。
映画のサイトで、
「エピソードを詰め込みすぎてドラマ性が希薄」という評価もあるけど、
ぼくとしては、
この映画を観て、
小節でいう行間というか、
映像化されていない部分を想像で埋められない人は、
たぶんこの映画を6時間にしても、
彼女の人生は永遠に理解できないと思う。

そういう意味で、
この映画のすごいところは、
エピソードの羅列ではなく、
各場面間に、
彼女の人生という水を、
たっぷりたたえている点にある。

脚本や編集もすごいが、
主演のマリオン・コティヤールに尽きる。
この映画の魔法は、
彼女の演技によってかけられた。

ちなみにピアフはビリー・ホリデーと同じ年生まれとか。
晩年の映像はどう見てもおばあさんだが、
享年47歳だった。


●NHK「美の壺」。きょうはバラがテーマだった。古来様々な品種改良がされてきたが、青いバラだけはできなかったことから不可能の代名詞にもなった、という解説に、母が一言「青インクにつけたらええやん」。OK。ハッピーだ。今70歳だが100歳クリアは間違いない。NHK芸術劇場でライヒ特集「18人の演奏家のための音楽」をやってる。このループサウンドを生でやってるのが面白い。楽譜めくってるし。

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