ジャズで言えばビリー・ホリデー。
オペラならマリア・カラス。
演歌はもちろん美空ひばり。
ジャンルは異なれど、
歌にはそれぞれのディーバがいる。
「エディット・ピアフ」(2007年、仏、英、チェコ合作)を観た。
お名前と「愛の讃歌」だけはよく存じ上げておりますのオホホ、
みたいな存在だったが、
まぁ、
そりゃ、
波乱万丈を画に描いたような人生だ。
貧しい家庭に生まれ、
売春宿に預けられる幼年時代。
大道芸人の父と暮らしながら、
シャンソンに目覚める少女時代。
街頭で歌っているところを一流クラブのオーナーに認められ、
大スターへの階段を駆け上がる絶頂期。
身を焦がす不倫と死別、
酒とモルヒネ中毒でボロボロになる晩年。。。
2時間20分によくぞまとめたもんだ。
映画のサイトで、
「エピソードを詰め込みすぎてドラマ性が希薄」という評価もあるけど、
ぼくとしては、
この映画を観て、
小節でいう行間というか、
映像化されていない部分を想像で埋められない人は、
たぶんこの映画を6時間にしても、
彼女の人生は永遠に理解できないと思う。
そういう意味で、
この映画のすごいところは、
エピソードの羅列ではなく、
各場面間に、
彼女の人生という水を、
たっぷりたたえている点にある。
脚本や編集もすごいが、
主演のマリオン・コティヤールに尽きる。
この映画の魔法は、
彼女の演技によってかけられた。
ちなみにピアフはビリー・ホリデーと同じ年生まれとか。
晩年の映像はどう見てもおばあさんだが、
享年47歳だった。
●NHK「美の壺」。きょうはバラがテーマだった。古来様々な品種改良がされてきたが、青いバラだけはできなかったことから不可能の代名詞にもなった、という解説に、母が一言「青インクにつけたらええやん」。OK。ハッピーだ。今70歳だが100歳クリアは間違いない。NHK芸術劇場でライヒ特集「18人の演奏家のための音楽」をやってる。このループサウンドを生でやってるのが面白い。楽譜めくってるし。
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