予定まで30分ほど時間があったので、
通りすがりのベネトンのセールに飛び込んだ。
シャツが欲しいと思っていたので、
店員さんに選んでもらって試着することに。
ぼくはポロシャツ一枚だったから、
その上から羽織ってみたら、
ピピッときたのがあった。
「この着方でもいけますよね?」
「そーですね。少し斬新ですけど」
「じゃ買います」
ということで、
ぼくはポロシャツの上にシャツという、
「斬新な」レイヤード姿で大阪を歩き、
目的の難波「845」のセッションに向かった。
このセッションは、
ボーカルの太田雅史さんが主催していて、
前半は彼のパフォーマンス、
後半はセッションというかたちで月一で開かれている。
彼の特徴はボーカリーズ。
まぁスキャットなんだけど、
声を楽器として、
歌詞のない曲でも「ダバダバ、ドゥビッ」と「歌い」こなしてしまう。
ピアノは赤松真理さん。
とても品と落ち着きのある音を出される方で、
今年に入って何度かいろいろな場所で聞かせてもらっている。
その赤松さん。
ぼくのシャツを見るなり、
「かわいいですね」とほめてくれた。
お世辞でも嬉しいもので、
「よしよし、いい買い物をした」と、
自己満足して帰宅した。
早速、
母に「ええやろ」と自慢すると、
「・・・・・・」
「かわいいって言ってくれる人もいたんやで」
「・・・・・・」
「おかしい?」
「だって花柄やん」
「あんた柄物着いへんやん」
そうだ。
ぼくが柄物の服を買ったのは、
10年ほど前のアロハシャツが最後だ。
買ったシャツは淡い色ながら、
ペイズリーと花の柄だ。
母が違和感をもったのも、
ある意味無理もない。
鏡で見なおしてみた。
重ね着はともかく、
シャツ自体はやはり悪くない。
でも、
さっきまでの自信はない。
なんでこれを買ったのか、
自分でも少し不思議に思えてきた。
やっぱり「いい」と思えたのは、
赤松さんが先に褒めておいてくれたからだ。
ありがとう。
赤松さん。
●今朝は5時半まで付き合いました。ウィンブルドン。あんないい試合されては、途中で寝れないよ。本当に歴史が繰り返したから、びっくりした。
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