2008年7月3日木曜日

セコい奴

探していた本を書店で見つけたものの、
カバーが少しよれていたり、
折れ曲がったページがあると、
買うのをあきらめてしまう。

別にブックオフで売る時の事を考えてとかではなく、
やっぱり最初だけはピシッとした姿でいて欲しい、
その思いは子供のころから変わらない。

先日、
西宮北口のジュンク堂で、
「M/D マイルス・デューイ・デイヴィスⅢ世研究」(菊池成孔、大谷能生著、Esquire Magazine)を買った時のこと。
何冊かある中から慎重に選び、
早速ドトールに入って少し読もうと、
袋を椅子に置いたつもりが、
ドサッという音。

何せ776ページもある大著である。
厚みは7センチほどあり、
壮丁もガッチリしている。
立派すぎて椅子から滑り落ちたのだ。

恐る恐る袋から取り出すと、
背表紙の角が見事にへしゃげていた。

かわいそうに、
僕の手に取られてから、
わずか10分ほどで、
見事に変形させられた「M/D マイルス・デューイ・デイヴィスⅢ世研究」。

ショックで言葉も出なかった。
何度も見返しては、
間違いなくへこんでいることを確認し、
その度ごとに胸が痛んだ。
周囲の人に気づかれないようにしていたつもりだが、
きっと顔はひきつっていただろう。
だって4700円もしたんだ。。。

ヤケクソ気味に、
一気に読んだ。
やたら面白かった。
そう、
中身が良ければそれでいいんだ。
そうだよ。
問題なのは内容だ。

それでも今日、
紀伊国屋で、
「決壊」上下巻(平野啓一郎著、新潮社)と、
「ザ・ロード」(コーマック・マッカーシー著、早川書房)
を買う時、
何冊も見比べてしまった。
何も変わってない。

レジの店員の本の扱いもすごく気になる。
乱雑にカバーをかけられるぐらいなら、
「自分でするから紙をくれ」っと言いたくなるほどだ。

自分のセコさを実感する時である。


●そういえば学校の教科書も、新学期早々はめっちゃ大切に扱って、表紙の折れ具合まで気にするたちだった。かといって勉強するわけでもなく、すぐにボロボロになっていったっけ。

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