1979年7月、
ビヨン・ボルグはウィンブルドン5連覇をかけ、
ジョン・マッケンローとフルセットを戦っていた。
同じ時、
高校1年のぼくは、
期末試験の準備に追われていた。
世界最高の技術と、
世界最高のハートを持つ二人が、
世界最高の名誉を前に見せる、
神業的プレーの応酬と、
名誉の重さゆえに時折見せる心技体のほころび。
そんな状況を、
生中継しているのに、
試験勉強などしておられようか。
翌日は、
すごいものを観た感動と、
睡眠不足プラス、
勉強ゼロの頭だけが残った。
そして、
29年がたち、
今、
ロジャー・フェデラーが6連覇をかけ、
ラファエル・ナダルと死闘中だ。
ただでは済まない予感の中、
果たして、
ナダルが2セット連取。
2度のチャンピオンシップ・を握りながら、
フェデラーがタイ・ブレークで2セット取り返し、
フルセットにもつれ込んだ。
今は、
この試合2度目の雨天中断中だ。
どれだけ追い詰められても、
とことん沈着冷静な王者と、
野性的挑戦者。
あの時と同じ構図だ。
ちなみにボルグは5連覇は果たしたものの、
翌年はマッケンローがこれまたフルセットの死闘で雪辱を果たした。
歴史が繰り返すなら、
ナダルが歓喜の初優勝を遂げるはずだ。
さぁ、
雨は上がったようだ。
歴史を目撃しよう。
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