僕と同じ仕事をかつてしていた作家が、
自分の若い頃のことを書いた小説を読んでいて、
これが当然面白い。
多分、
この仕事をしていない読者は、
何が面白いのかわからないと思う。
あるいは、
最近この仕事を始めた人も、
ピンとこないんだと思う。
30年ほど前の、
僕らの職場の雰囲気が、
本当によく書けていて、
だからピンポイントで僕の心に刺さる。
その中で、
僕らの仕事のストレスは、
大学受験の10倍、
一般事務の50倍だと書いてあった。
本当かどうか知らないけれど、
だからみんな家に帰っても興奮が冷めず、
酒を飲んで寝るんだと。
それもすごいわかる。
今は酒を飲まないけれど、
飲まなきゃ寝られない気持ちはわかる。
多分今は、
飲まずにやってられる程度にしか、
仕事に入り込んでいないのだ。
それでも一応、
仕事はできる。
出来栄えだって、
別に変わらないと思う。
それでも尚、
飲んで仕事して飲んで仕事して、
そういう小説の中の人物の気持ちは良くわかるし、
実に愛おしい。
冷静に考えれば馬鹿な営みだけど、
そういう馬鹿が大勢いた時代が確かにあった。
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