Nスペとかにはない生々しさというか、
マイナー感というか、
アングラ感があって興味深い。
先日、
ギリヤーク尼ヶ崎という、
大道芸人を取り上げていて、
それがもう壮絶で心から離れない。
尼ヶ崎と言っても北海道の人なんだけど、
とにかく若い頃から大道芸のお布施だけで生きてきたのだという。
大道芸と言っても、
一輪車に乗ったりするのではなく、
舞踏。
もともと演劇から始めた人らしくて、
こんな感じ。
ドキュメンタリーの最初は、
80歳を優に超えて、
パーキンソン病を患って、
手がブルブル震え、
食べ物も自分では作れないし食べれない。
都営住宅に同居する弟に食べさせてもらう状態。
そんな状態で、
毎年恒例の新宿公演をやるのやらないのって、
そりゃどう見ても無理でしょと思うのだが、
本人は住宅の公園でブルブル震えながら練習したりする。
そういう人がいるということ自体が驚きだったし、
若い頃の演目を見てまた驚いた。
あれは80年台ぐらいの映像だったろうか。
見た普通のOLみたいな女性が、
今みたいな時代にはこういう行為は必要なのではないか、
みたいなことを言っていて、
あああの頃も、
その時代の人は自分たちの今を決して良い時代だとは思っていなくて、
何か人間性の回復みたいなものを、
心のどこかで求めていたんだなと。
にもかかわらず、
30年以上経って、
状況はさらに遠いところに来てしまった。
ギリヤークは、
世界に風穴をあけるような人だ。
伊丹十三がそう言ってたんだっけ?
とにかく、
彼みたいな異端児こそが、
世の中に開いた穴だと思う。
ああいう人がいない世の中は息苦しくなる。
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