前に、
酒のない人生は平穏だけど、
果たしてそれでいいのか、
というようなことを書きました。
そのことを今日風呂で考えていて、
ふと思い至ったのです。
あぁ、
それは中学生の時の僕の考えだったと。
その頃僕は、
平凡な人生は決して送るまいと思っていました。
破天荒でやりたいことをやって、
50歳になったら自殺しようと、
半ば本気で考えていたのです。
そのような考え方の根底には、
幼い頃の命に関わる大病があったように思います。
そして、
男子なら誰にでもあるであろう父親への反発。
何事も中庸を好み、
過ぎたるは及ばざる如し、
巨人・大鵬・卵焼きだった父。
高度成長期の典型的な模範サラリーマンだった父。
その生き方の逆をするんだと、
子供の頃の僕はずっと思っていたのです。
十人並みのありきたりな人生を生きて、
何が面白いのか。
せっかくの人生、
やりたいことをやらないでどうする。
それは幼い頃に大げさに言えば生死が不安定だった子供の頃の体験と相まって、
僕の心深くに根付いていたのです。
そんな青年時代に出会ったのが開高健だったのです。
酒に耽溺しながら世界中を旅し、
時に戦場記者として九死に一生を得た彼の生き様は、
僕には輝かしく思え、
これぞ自分の求める人生だと思ったものです。
その後アル中になり、
酒をやめ11年。
そこでやっぱり思うのです。
平凡な幸せでいいのかと。
何と成長していないのでしょう。
自分でも呆れますが、
結局そこに行き着く。
そういう人間なのだと改めて思います。
ただし今度は酒に頼るのはやめようと思います。
酒ではなく、
何か他のことで、
普通ではない生き方をしたいと思い始めているのです。
もうこれはきっと性分なんでしょう。
単なる天邪鬼といってもいい。
とにかく他人と同じ、
その他大勢になることが嫌なんだと思います。
人生で何があっても、
こういう人間の根っこと言う奴は、
決して消えることないもんなんだなと、
風呂で突然思い至ったのです。
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