2009年5月28日木曜日

烙印

「花畑牧場の生キャラメル」
というのが流行りらしい。

母が1時間並んで買ってきたので、
一粒食べてみた。

食感はやわらかく、
上品なお味。
だけど、
正直なところ、
高級「ミルキー」だと思った。

10粒ほど入って900円ぐらいとか。

ひえー

た、
たかがキャラメルが?
人をなめてんのか?

母「一度食べてみたかったけど、もういいワ」



同感である。



その買い物で母は、
宮崎産のマンゴーも買ってきた。

一個1000円。

ひえーひえー

メロンじゃないよね?

でも、
普通は2000円ぐらいするのだという。

ひえーひえーひえー

マンゴーってのは、
いつからそんな高級果物になったの?

母の言うところでは、
宮崎産が特別に高くて、
外国産だと一個200円ぐらいでもあるとか。

確かにめっちゃ美味しかったけど、
それにしても、
恐ろしや、
ブランド力。


●烙印(らくいん)とはブランドの語源ということで●どっちか選べと言われれば、マンゴーに軍配●欧州CL決勝戦観戦中。今ハーフタイムで急いで書いた。これが世界最高、最先端のサッカーなんだな。

2009年5月27日水曜日

黒板

増四度音程は最強の不協和音だという。
キーがCなら、
FとBの関係だ。
西洋では「悪魔の音程」と呼ばれているらしい。

「音程」ではないけど、
ぼくにとって「悪魔の音」は、
黒板を爪でひっかいた時に出るアレだ。
今でも想像しただけで、
「イー」ってなる。

掃除当番の時、
黒板を綺麗にするのが好きだった。
それも、
徹底的に。

まずは黒板消し同士を、
親の敵のように何百回となく叩いて、
白い粉がほとんど出なくなるまでにする。

それから黒板。
まず雑巾できれいに拭いて、
それでも乾いたら白い筋が浮き出てきてしまうので、
先の黒板消しで仕上げる。

チョークを置く溝も徹底的に拭く。
そんなにまでしても、
誰もほめてはくれなかったけど、
きれいになった黒板を見ると、
何がしかの達成感があった。

あーそれにしても、
何であの爪の音を思い出したのか。
絶対音感のある人は、
あの音も「Fシャープ」とかって当てちゃうんだろか。

しばらくゾクゾクしそうだ。


●今でも学校は黒板なのだろうか●映画「ディパーテッド」。何でこれがアカデミー作品賞なのか、さっぱりわからなかった●じゃず家セッション。2曲歌った。ひどく落ち込むということはなかった。

2009年5月26日火曜日

伝達

耳が聞こえない先生に、
子どもが何か尋ねている。

「先生、好きな色は?」

先生はその子の唇の動きを読み取って答えた。

「今はいないの」



先生は「好きなiro」を「好きなhito」と間違えたのだ。
確かに口の動きが似ている。


先日たまたま、
しかもちょっとだけ見た番組のひとコマだけど、
聴覚障害者はこうした「聞き間違い」に苦労するらしい。
だからある人は、
「思い込まないように気をつけています」と話していた。

「色」と「人」の間違いは微笑ましいけど、
命に関わる事だってあるだろう。
大変なんだなぁと思ったが、
考えてみればぼくたちも同じだ。



人間は文字や楽譜を発明して、
言葉や音楽の流通性を爆発的に拡大させたけど、
文字や音符に込められた本当の意味を理解するのは、
なかなかに難しい。

というか、
記号に込められる意味の量は最初からたかがしれている。
だから、
記号を介して行われる、
ぼくたちのコミュニケーションは、
ほとんど誤解の上に成り立っているといっていい。

少なくとも、
それぐらいの心構えでいた方がいい。

心と心が直接結びついたような状態を、
仏教では「拈華微笑」(ねんげみしょう)というが、
その地点を100だとすれば、
ぼくたちの地点は1でもないだろう。

●中国が神戸市に子ども用マスク10万枚を寄贈した●北朝鮮が核実験を実施した。

2009年5月25日月曜日

体得

若い人が古着や制服を、
自分流に改造して着るのは知ってたけど、
ユニクロの新品を切り刻んだり、
縫い合わせたりしてしまうことが当たり前で、
それを「ユニ隠し」とネーミングまでされているとは!。

今日の東京カワイイTVは面白かった。

新宿の新店舗の視察に、
高級車に載ったユニクロ社長が現れた。
「ユニ隠し」の感想を聞かれ、
「着こなしはお客様の自由」なんて言いながら、
いかにも不愉快そうな表情が、
なかなか偉そうで笑えた。



それに引き替え、
「しまむら」という激安衣料店のおじさん社員。
若い子の流行を知ろうと、
3泊4日の弾丸英国視察旅行を、
数か月おきに繰り返しているそうだ。

1日で40軒ものファッション店を見て回って、
ホテルについたらクタクタ。
「まず座りたいです」って、
なかなか微笑ましかった。

「若い人のファッションわかりますか」と聞かれ、
「わかりません」って何と正直な!
でも、
そうやって繰り返し足を棒にして店を回っているうちに、
おじさんは知らず知らず、
体でセンスを身につけるのだ。


●難波「YAKATA de Voce」に久しぶりに。2曲。結構満足した●それからアメ村や堀江界隈を歩いた。インフルウイルスではなく、若い人オーラが充満していて、いい刺激になった。

2009年5月24日日曜日

楽理

ブルースは、
長調と短調が同居している摩訶不思議な音楽だ?



ぼくは歌は歌うけど、
音楽理論はチンプンカンプン。
でも、
「東京大学のアルバートアイラー」(菊池成孔+大谷良英著、メディア総合研究所)は、
長年の愛読書だ。
題名の通り、
二人の著者が東大で行ったジャズ講義録である。

これを読んでいると、
音楽という芸術を、
人間がいかに「理屈」の中に押し込めようと、
悪戦苦闘してきたかが分かる。

音楽の「流通」という観点からみれば、
バッハ→バークリー→MIDIと連なるこの試みは大成功で、
ジャズはもとより、
ぼくらが接するあらゆる音楽は、
この「理屈」の上で解説される。



しかし目を転じれば、
理屈に合わない音楽が、
決して「間違っている」わけじゃないとも気づく。

だから、
ブルースの話に戻ると、
先のぼくの書きようは間違っている。



正確にはこういうことだ。



まず魅力的な音楽があって、
それが現在の音楽理論で説明できないだけだと。

この違いは天と地ほど大きい。

つまり、
あらかたの解説書は、
「知ったかぶり」ということだ。
それを素直に認めた上で書かれたこの本は、
とても真摯だと思う。

新型インフル、
世界経済の趨勢、
地球環境。。。

「専門家」のご託宣の多くは、
「知ったかぶり」だということを、
知った上で拝聴するのがよろしい。

楽理万能主義の中で生き残ってきた、
強靭なブルース。

ブルースな生き方ってできないものか。

●どうも文字化けが起きている。推測して読んでください●この本は近年の一押し。このたび文庫化されたので、携帯用にまた買ってしまった●キムタクの「MR.BRAIN」。脚本は失敗してるぞ、どう考えても。ただ、主題歌のヴァン・ヘイレンに驚き、海老蔵は格好いいと思った。

2009年5月23日土曜日

値段

味の素の蓋の穴を、
ほんの少し大きくしたら、
売り上げが大そう伸びたというのは、
かなり有名な話。

人間心理を突いた商売の格好の例である。



「影響力の武器」(ロバート・B・チャルディーニ著、誠信書房)には、
同じような話が満載だ。

例えば、
店の亭主がほれ込むほど見事な宝石を、
かなりの安値で陳列しているのに、
一向に売れない。

亭主は仕方なく、
店員に「半額セールで売ってくれ」と言い残し、
バカンスに出かけた。

帰ってくると、
案の定、
その宝石は売れていた。

しかし実は、
店員は亭主の伝言を聞きちがえ、
値札を倍額に書き換えていた。。。

「安かろう=悪かろう」と同じように、
「高かろう=良かろう」と思い込む人の心理を示す例だ。



この話の教訓は、
物の価値を値段で判断してはいけないということではなく、
ぼくたちは物事を判断する際、
実に少ない点だけを比較しているという事だ。

日常生活のあらゆる判断を、
仔細に検討して下すことは、
時間の制約から不可能だ。

つまり、
ぼくらは、
そうと分かっていても、
同じような罠に陥るのである。

わかっちゃいるけど止められない。

げに恐ろしと言えまいか。

●新型インフル国内発生後、初めて神戸に足を踏み入れた。元町の人出はさすがに少なく、多くの人がマスクをしていた。しかし、いるべき場所にはいるべき人たちがいた。なぜか安心したのだった。

2009年5月22日金曜日

連鎖

貧しさから、
マンホールの中で暮らすモンゴルの子どもを、
10年にわたって追ったドキュメントを、
BSで見たら切なくなった。

「主人公」というべきボルト君は、
一時は建設会社に働き口を見つけて、
社長賞までもらうほど頑張ったのに、
自力で建てた家(小屋?)の土地を登記してなかったために、
追い出され、
そこから歯車が狂っていく。



大人になった彼は、
空き缶やびんを拾って換金しては、
その日を食いつなぐ毎日。

元妻は親友にとられ、
子どもにも会わせてもらえず、
その元妻も、
16歳で産んだ子どもに会えぬ苦しさから、
二人して酒浸りになっていく。。。

数年おきに取材したものの総集編だったので、
10年間の彼らの浮沈(といっても基本的に沈んだままだ)が、
わずか2時間ほどで紹介される。

その短時間で少年(少女)は大人になり、
幼さゆえ、
どこか明るさのあった表情からは、
夢も希望も消え、
「貧困」だけが刺青のように刻まれる。



にしても、
こういう取材をする人たちは、
どういう倫理観を持っているのだろう。
自分たちの懐にある「円」で、
彼ら数人ぐらいの運命は変えられるはずだが、
それは絶対にしない。

不幸にまみれていく姿を、
ただただカメラに収める。
その「冷静さ」は職業的には正しい。
ライオンに食われる鹿をいちいち助けないのと、
基本的に同じだ。

でも、
ぼくにはできないだろう。



不幸の連鎖。

不幸の拡大再生産。

不幸は伝染する。

そんな迷信じみた考えが、
リアルに思えた。

●前に大家族ものの番組で、いきなり夫婦が離婚してしまって、企画そのものが終わってしまったことがあった。その時の「救いのなさ」に似ていた●「ミスティック・リバー」。前に観た時は、サスペンスとしてイマイチだと思ったことを思い出した。改めて観ると、これは全然サスペンスなどではなかったことに気づいた。ブッシュ政権への痛烈な皮肉でもあるが、それ以上にこちらも「不幸の連鎖」を感じた●「不用不急」じゃなきゃ外出するなって、ぼくなら仕事以外にないなと思うと、少し寂しい。にしても、国民にマスク、マスクっていいながら、なぜあの国会議員の面々はしないのだ●裁判員制度が始まった。





不幸も、
インフルのように、
伝染するのだ。

遺志

30日は親父の13回忌だ。 あーそんなになるのか、 と言うのが率直な感想。 親父が亡くなる直前、 僕は酒を辞めた。 復職して最初のボーナスが出た日、 入院していた病院に行って報告した。 もう親父はかなり弱っていて、 ほとんど喋れなかった。 でも...