味の素の蓋の穴を、
ほんの少し大きくしたら、
売り上げが大そう伸びたというのは、
かなり有名な話。
人間心理を突いた商売の格好の例である。
「影響力の武器」(ロバート・B・チャルディーニ著、誠信書房)には、
同じような話が満載だ。
例えば、
店の亭主がほれ込むほど見事な宝石を、
かなりの安値で陳列しているのに、
一向に売れない。
亭主は仕方なく、
店員に「半額セールで売ってくれ」と言い残し、
バカンスに出かけた。
帰ってくると、
案の定、
その宝石は売れていた。
しかし実は、
店員は亭主の伝言を聞きちがえ、
値札を倍額に書き換えていた。。。
「安かろう=悪かろう」と同じように、
「高かろう=良かろう」と思い込む人の心理を示す例だ。
この話の教訓は、
物の価値を値段で判断してはいけないということではなく、
ぼくたちは物事を判断する際、
実に少ない点だけを比較しているという事だ。
日常生活のあらゆる判断を、
仔細に検討して下すことは、
時間の制約から不可能だ。
つまり、
ぼくらは、
そうと分かっていても、
同じような罠に陥るのである。
わかっちゃいるけど止められない。
げに恐ろしと言えまいか。
●新型インフル国内発生後、初めて神戸に足を踏み入れた。元町の人出はさすがに少なく、多くの人がマスクをしていた。しかし、いるべき場所にはいるべき人たちがいた。なぜか安心したのだった。
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