2009年1月31日土曜日

条例

東京都荒川区で、
「飼い主のいない動物への迷惑な餌やりを罰則付きで禁じる全国初の条例」が4月から施行される。

カラスの被害が発端らしいのだが、
野良猫なんかも含まれるため、
愛猫家らが反発してると初めて知った。

検索したら「荒川区+猫+餌やり」だけで12700件ヒットした。
「飼い主のいない動物への迷惑な餌やり」についての様々な意見は興味深い。

一口に「餌やり」といっても、
里親を探す、
不妊手術をするなど、
「野良状態」からの改善に真剣に努力している人もいる。
一方、
垂れ流しのように餌をばら撒くだけの人もいる。

そういう行動の多様さが、
「条例」でくくってしまった途端に柔軟性をなくす。
条例に「賛成」が「心底賛成+(善意の)無知」であるとすれば、
「反対」側の分は圧倒的に悪いだろう。
そういう「何となく賛成」な気分で日常に法律や条例が次々持ち込まれるのは嫌だ。

「傘さして自転車に乗るのダメ」
「歩きたばこダメ」。。。
結局、
自分らを窮屈にしてしまうだけではないか。


●別のところへ書いた文章なので、いつも以上にかたいな●朝青が品格をうんぬんと言ってる間に、とんでもないことに。

2009年1月30日金曜日

桜花

桜といえばソメイヨシノ。

福井に住んでいたころ、
足羽川の両岸に咲きつらなる様は、
まことに見事で、
大好きだった。

でも実は、
明治の初めあたりに品種改良されて生まれ、
比較的新しい桜なのだった。

ちなみに、
古い和歌に詠まれる桜は、
ソメイヨシノ(染井吉野)ではなく、
山桜。



小林秀雄の講演CDにこの話題が出てきて、
小林は「醜悪なる」という言葉を使って、
ソメイヨシノを毛嫌いしている。
学校の校庭のソメイヨシノは、
「植木屋と文部省が結託した結果」と言い放つ。

「第一匂わないじゃないか」

なるほど、
それはそうだ。


小林によると、
ソメイヨシノが全国に広まったのは、
苗が丈夫で、
植木屋さんにとっては栽培が容易だったからだそうな。
一方、
寿命は60年ほどと、
いまの日本人より短い。
戦後すぐぐらいに植えられたやつは、
そろそろ危ないということだ。

短いといえば、
桜は散り際が見事だと、
そして、
そういうはかなさが日本人の美意識に合っているのだと、
勝手に思っていたが、
そんなことも全て、
ソメイヨシノに限った話だった。


山桜は花と葉が同じように長期間、
鑑賞できるのだそうだ。

桜は確かに古来、
日本人に愛されてきたが、
その愛されようは、
いまのそれとは、
だいぶ違ったようだ。

敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花(本居宣長)



●ソメイヨシノの花粉が野生桜の遺伝子に乱れを及ぼしていると、29日付朝日新聞朝刊に●「同期の桜」の桜もきっとソメイヨシノだ●ねんきん特別便300万通が宛先不明で返送。その切手代は税金●朝青ガッツポーズに横審が文句。彼らは相当「品格」に自信がおありなのだろう。

2009年1月29日木曜日

静謐

子どものころ、
押入れに入るのが好きだった。
しまわれた布団の上、
時にはその間に潜り込んで、
戸を閉める。
何とも言えない落ち着きは、
きっと生まれる前の記憶とつながっていたのだと思う。

「猫を抱いて象と泳ぐ」(小川洋子著、文芸春秋社)は、
小さなチェスプレーヤーと、
彼を取り巻く人たちの物語。
先日書いた予感の通り、
実に見事な、
宝石のような作品だった。



この作品では、
「閉塞」が主要なテーマになっている。
主人公は、
カラクリ人形の台座に隠れ、
人間相手にチェスをする。
彼が子供のころ好きだった象は、
大きくなりすぎて、
デパートの屋上から死ぬまで下りられなかった。
第一、
チェス自体が、
8×8の枡目の中に閉じ込められた世界だ。

しかし登場人物、
何より主人公のリトル・アリョーヒンは、
チェスの盤面でこそ自分を解き放つ。



作中、
ある老婦人が彼に言う。
「自分より、チェスの宇宙の方がずっと広大なのです。自分などというちっぽけなものにこだわっていては、本当のチェスは指せません」。



対戦の描写が素晴らしい。
全くの門外漢が読んでも、
このゲームの奥深さがわかった気になる。

深く深く、
思考の海に沈む様は、
どこか、
本当の海を扱った「グレート・ブルー」に通じて、
神々しささえ漂う。



「静謐」そのものだ。


●というわけではないが、三宮「グレート・ブルー」でたなかりかさんのライブに。この人は、パッション全開で聴衆の心をわしづかみするタイプ。かなり「ヤバい」魅力である。

2009年1月28日水曜日

藝術

十三の「第七藝術劇場」に初めて行った。
気になっていた映画「エグザイル/絆」を見るためだ。
もちろん、
歌のエグザイルとは何の関係もない。



地図を頼りに、
駅の西口を出て、
梅田新道を渡った商店街、
というか、
風俗街のど真ん中。
かなり怪しげなビルの6階に、
その劇場はあった。

入口に縦長の看板が掲げてあるのだが、
「藝術」という文字からして怪しい。
しかも、
隣は古びたボーリング場で、
ゴロゴロ玉を転がす音が聞こえる。











中はまるで小学校の講堂みたいで、
昔、
東京にいた時にたまに行った、
「早稲田松竹」を思い出した。

とはいえ、
ちゃんと椅子やスクリーンはあるし(当たり前だが)、
音響もしっかりしていて、
実のところ、
相当気に入った。

3000円で会員になれば、
一本1000円で見れるという。
ラインアップを見る限り、
相当にマニアックだ。



で、
肝心の映画は、
幼なじみが大人になって、
敵対する暴力団(?)に所属し、
殺し合わねばならぬというという設定。

結局、
「絆」の方が大切でしたという話で、
ストーリー自体は目新しくはない。
女性の描き方といい、
日本の極道モノと似たり寄ったりだ。

だが、
見せ方は新鮮で、
特に狭い空間で大勢の人間が銃を撃ち合う場面の表現は、
一見の価値はあると思った。



あと、
冒頭からそうなのだが、
「鉢合わせ」が物語の駆動力になっていて、
その度に、
入り乱れた人物がドンパチやるから、
関係を理解するのに戸惑う場面が何度かあった。

蛇足ながら、
主人公らが、
やたらウイスキーをラッパ飲みするシーンには参った。
あれではまともに撃ち合えるはずないと思うが、、、



とはいえ、
この映画館を知ったことは、
最近にない大収穫。
ハマろうかなぁ?



●映画の前に時間があったので、同じビルにあるジャンカラに入った。フリードリンクで1時間120円!さすが十三●その後「じゃず家」に行った。珍しく参加者が少なく、遅れて行ったにもかかわらず4曲も歌わしてもらえた。ギタリストの塩本彰さんがお見えで、恥を承知で「ハンコ名刺」をお渡しした。

2009年1月27日火曜日

CM

NHK以外はほとんど見ない、
なんて今は言っているけど、
子どものころからCMが大好きだった。

15秒か20秒ほどの間に、
圧倒的な情報を詰め込む魔法に思えた。
将来、
「CMを作る人になりたい」と、
真剣に思っていたほどだ。

その夢は、
80年代、
糸井重里の「おいしい生活」あたりでピークを迎えた。
時代を切り取る感性にあこがれた。
でも、
なぜかそっちへは行かなかった。



休憩時間に、
NHKトップランナーを見ていたら、
森本千絵という、
全然知らない女性が出ていた。

森本 千絵(もりもと ちえ、女性、1976年4月26日 - )は、日本のグラフィックデザイナー、アートディレクター。青森県三沢市に生まれ、東京で育つ。武蔵野美術大学卒。
博報堂から博報堂クリエイティブ・ヴォックスを経て、2007年に独立。同年に「株式会社goen(ゴエン)」を設立した。
日産自動車「NOTE」、DIC企業広告「イロニンゲン」などの広告や、Mr.childrenやsalyu、坂本美雨などアーティストのアートワークも手がける。ap bankによる環境コンシャス提案ショップ「kurkku」のアートディレクションや、子供達を集めたワークショップ「ちびgoen」など社会的な活動も積極的に行っている。ゼラチンシルバーセッション(銀塩写真)の活動にも参加。
N.Y.ADC賞、ONE SHOWゴールド、アジア太平洋広告祭ゴールド他多数受賞。東京ADC賞。ADC、JAGDA、TDC会員。


ミスチルのベスト盤のポスターの話がいかしてた。

そのポスターは、
横長の画面の上四分の三は海と空で、
下の残りに堤防が映ってる。
その堤防には、
ミスチルの代表曲の歌詞が落書き風に書かれている。

ただそれだけなんだけど、
あまりに美しい海と空に「ポー」となって、
それから堤防の文字や絵に気づく。
そして読み始め、
「あぁミスチルの歌詞じゃないか」とわかる仕掛けなのだ。
アルバム「HOME」や、
シングル「HANABI」のジャケも彼女の作品だった。








その他の作品にも共通するのだけど、
不思議な明るさというか、
この世に極楽があれば、
きっとこんな風だと思わされる。
(違うのもあると思うけど、きっとこれが彼女の本質だ)

押し付けがましいメッセージや、
ひねりは一切なし。
ビデオじゃなく、
フィルムの感覚。

あきれるほどの直球。
でも「能天気」とも違う。
「ハッピー」ではなく、
あくまで「しあわせ」。
気づいたらその世界の中にいる、
そういう魅力がある。

これが今の日本の「気分」なのか、、、


●ところで「テレビCM」とは言うが「新聞CM」とは言わない。なぜだろう●橋下知事の府民の支持率が82%だと読売新聞に。オバマを超えてるじゃないか!しかも就任1年後でだ。これは恐るべき数字だ●年賀はがきの懸賞が全敗だった母。一言「下手やなぁ。。。」何がですか?

2009年1月26日月曜日

独裁

「ヒトラー ~最期の12日間~」を、
昨晩、
何気にBSで見始めたら、
155分、
釘付けになってしまった。

全体主義について、
考えていたところだったこともあるだろう。
でも、
そんなことを抜きにしても、
十分見るに値する映画だった。

ヒトラーが地下の要塞で過ごした最期の12日間に焦点を当て、彼の個人秘書を務めたトラウドゥル・ユンゲの目を通して歴史的独裁者の知られざる側面を浮き彫りにしていく衝撃の実録ドラマ。


ぼくは、
ドイツの降伏間際、
ヒトラーが妻のエヴァと自殺したことは知っていたけど、
ヒトラーが、
自分が死んだあと、
跡形もなく焼くように部下に命じ、
しかも、
部屋に二人で籠ってから銃で死ぬまで、
ドア越しに大勢の幹部らがじっと待っていたなんて知らなかった。

人間、
最後に本性が出るというけど、
それはナチス・ドイツとて同じ。
戦況が最悪になって、
逃げる奴、
最後まで忠誠を誓う奴、
うわべだけの奴、
正面切って意見する硬骨漢。。。

「いるいるそんな奴」みたいなのが、
ごろごろ出てくる。

とにかく、
ヒトラーは自分がしでかしたことを十分認識していて、
最後まで自説を曲げることはなかった。
その誤りに気づいていたかどうかは、
よく分からない。。。


当たり前だけど、
全体主義というのは、
一人の特別な人間だけでは成り立たない。
文字通り、
「全体」が支えた体制だった。

ヒトラーは、
その個人的資質もさることながら、
「ヒトラー的」なものを求める人たちによって、
「独裁者」になったのだと思う。



●ところで「反ユダヤ」という点において、ヒトラーはパレスチナ人にとってどういう存在なのであろうか?今まで考えたことがなかった●YAKATA de Voce の昼セッション。2度目だ。たぶん、これまでで一番いい感じで歌えた(と思う)●朝青優勝。いつの間にこんな人気者になったのか。スポーツ報知は「日本中が待っていた」だって。一番喜んだのは、麻生総理だろう。あやかれるか。

2009年1月25日日曜日

抑制

ライブに出かける時は、
本が欠かせない。
演奏中は1人でも平気なのだが、
セットの間にやることがないからだ。

1月24日(土) 14:00~2ステージ
 三宮 CREOLE
 ミュージックチャージ 2000円
 「clair」
 Guitar&Violin 武藤 ケンイチ
 Vocal 田口 菜穂美
 Piano 赤松 真理



今日、
この演奏を聞きに行くにあたって、
どの本を持って行こうかと考え、
すぐに思い浮かんだのが、
「猫を抱いて象と泳ぐ」(小川洋子著、文芸春秋)。

本やで手にとってパラパラめくった瞬間に、
「これはイケる」と直感して買っておいたものだ。

「博士の愛した数式」もそうだったけど、
小川さんの文書には、
はっきり彼女だとわかるテイストがある。

「私の大切にしてきた宝物を、あなただけにそっとお見せします」

みたいな。
作者と特別な関係がもてるような気になる。



赤松さんのピアノは、
小川さんの小説に似た肌ざわりだ。

背伸びせず、
手に届く範囲のものを大切に大切に扱ってる感じ。
だから、
オリジナルでもスタンダードでも、
安心して耳をゆだねられる。
といっても決して「ありきたり」ではなく、
聞いているうちに、
色んな「思い」や「情景」がぼくの中で生まれてくる。
それは、
彼女の演奏が、
抑制されていながら、
「雄弁」に様々な感情を表現しているからだろう。

パワーやパッション全開にして、
こちらの気持ちを鷲掴みするという類の音楽ではないけど、
聞きながら、
そして聞き終わった後、
心がマッサージされたような気になる。

リフレッシュ完了って。



●で、本はまだ読みかけなのだけど、思った通り、赤松さんにも、ライブ会場にもピッタリはまった●それからぼくはカラオケボックスに寄り、三宮の眠眠で「かた焼きそば」を食べ(ここの店は本当においしいと思う)、さらに住吉の喫茶店で「チョコレートパフェ」を食べた。寒いけど大満足の一日だった。

遺志

30日は親父の13回忌だ。 あーそんなになるのか、 と言うのが率直な感想。 親父が亡くなる直前、 僕は酒を辞めた。 復職して最初のボーナスが出た日、 入院していた病院に行って報告した。 もう親父はかなり弱っていて、 ほとんど喋れなかった。 でも...