2009年1月30日金曜日

桜花

桜といえばソメイヨシノ。

福井に住んでいたころ、
足羽川の両岸に咲きつらなる様は、
まことに見事で、
大好きだった。

でも実は、
明治の初めあたりに品種改良されて生まれ、
比較的新しい桜なのだった。

ちなみに、
古い和歌に詠まれる桜は、
ソメイヨシノ(染井吉野)ではなく、
山桜。



小林秀雄の講演CDにこの話題が出てきて、
小林は「醜悪なる」という言葉を使って、
ソメイヨシノを毛嫌いしている。
学校の校庭のソメイヨシノは、
「植木屋と文部省が結託した結果」と言い放つ。

「第一匂わないじゃないか」

なるほど、
それはそうだ。


小林によると、
ソメイヨシノが全国に広まったのは、
苗が丈夫で、
植木屋さんにとっては栽培が容易だったからだそうな。
一方、
寿命は60年ほどと、
いまの日本人より短い。
戦後すぐぐらいに植えられたやつは、
そろそろ危ないということだ。

短いといえば、
桜は散り際が見事だと、
そして、
そういうはかなさが日本人の美意識に合っているのだと、
勝手に思っていたが、
そんなことも全て、
ソメイヨシノに限った話だった。


山桜は花と葉が同じように長期間、
鑑賞できるのだそうだ。

桜は確かに古来、
日本人に愛されてきたが、
その愛されようは、
いまのそれとは、
だいぶ違ったようだ。

敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花(本居宣長)



●ソメイヨシノの花粉が野生桜の遺伝子に乱れを及ぼしていると、29日付朝日新聞朝刊に●「同期の桜」の桜もきっとソメイヨシノだ●ねんきん特別便300万通が宛先不明で返送。その切手代は税金●朝青ガッツポーズに横審が文句。彼らは相当「品格」に自信がおありなのだろう。

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