桜といえばソメイヨシノ。
福井に住んでいたころ、
足羽川の両岸に咲きつらなる様は、
まことに見事で、
大好きだった。
でも実は、
明治の初めあたりに品種改良されて生まれ、
比較的新しい桜なのだった。
ちなみに、
古い和歌に詠まれる桜は、
ソメイヨシノ(染井吉野)ではなく、
山桜。
小林秀雄の講演CDにこの話題が出てきて、
小林は「醜悪なる」という言葉を使って、
ソメイヨシノを毛嫌いしている。
学校の校庭のソメイヨシノは、
「植木屋と文部省が結託した結果」と言い放つ。
「第一匂わないじゃないか」
なるほど、
それはそうだ。
小林によると、
ソメイヨシノが全国に広まったのは、
苗が丈夫で、
植木屋さんにとっては栽培が容易だったからだそうな。
一方、
寿命は60年ほどと、
いまの日本人より短い。
戦後すぐぐらいに植えられたやつは、
そろそろ危ないということだ。
短いといえば、
桜は散り際が見事だと、
そして、
そういうはかなさが日本人の美意識に合っているのだと、
勝手に思っていたが、
そんなことも全て、
ソメイヨシノに限った話だった。
山桜は花と葉が同じように長期間、
鑑賞できるのだそうだ。
桜は確かに古来、
日本人に愛されてきたが、
その愛されようは、
いまのそれとは、
だいぶ違ったようだ。
敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花(本居宣長)
●ソメイヨシノの花粉が野生桜の遺伝子に乱れを及ぼしていると、29日付朝日新聞朝刊に●「同期の桜」の桜もきっとソメイヨシノだ●ねんきん特別便300万通が宛先不明で返送。その切手代は税金●朝青ガッツポーズに横審が文句。彼らは相当「品格」に自信がおありなのだろう。
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