アフリカ版「男はつらいよ」という趣の、
Nスペ「悲しき雄ライオン」。
メスが狩ってきた獲物を、
タテガミ揺らして我が物顔で食べてる、
ぼくらがよく知っているオスライオンというのは、
群れのボスだけで、
大半のオスはサバンナを放浪してるんだって。
オスは狩りが下手なので、
放浪組は食いつなぐのがやっと。
イボイノシシ目当てに穴を一生懸命掘るのだけど、
途中で寝てしまってまんまと逃げられる様には、
思わず笑ってしまった。
しかしボスになれるか否かは、
放浪オスにとっては死活問題。
とりあえず空席待ちになるのだけど、
空席ができたからといって、
そこに座るまでがまた大変。
メスは、
その放浪オスがどれだけ強いのか、
じっくり値ぶみする。
この時点では完全な女性上位。
完全無視されてすごすご去っていく奴。
訳もなくメスに顔を張り倒されて、
呆然としている若い奴なんて、
見ていて同情してしまう。
とりあえず群れにとどまることを許されても、
必死でメスのあとをにくっついて、
ご機嫌うかがいばかり。
そして最後の試練は、
よその群れのオスとの決闘。
メスがわざと呼ぶんだから、
そうとうな慎重さというか、
徹底能力調査ぶりだ。
これらの難関を経て、
ようやくメスが合格を決め、
子供を宿すと、
途端に立場が逆転する。
メスは自分がしとめた獲物に手をつけず、
ボスに「差し出す」ようになるのだ。
オスもこうなったらデカイ顔で、
こびへつらっていた姿が嘘のように、
「キング」然としてくるから、
立場が人(いやボス)を育てるというのか、
変わり身が早いというのか。
それでも、
やっぱりボスの権威の原泉は「力」で、
病気にでもなろうものなら、
たちまちメスは次の強いオス探しをゴソゴソ始める。
偉そうにしていられるのも、
立ててくれるメスがいればこそなのである。
すべては種の保存のためであって、
イニシアチブは子供を宿すことのできるメスが握っているのである。
ヒトだって結局は一緒なんではないかなぁ。
こんな、
何年にも渡るドラマチックな群れの変遷を見ると
ライオンだって本能だけで生きているのではなく、
ちゃんとそれぞれの「考え」があるのだろうと思う。
人間のような「理屈」は言わないけど、
それなりの思考体系はあるはずだ。
ところで、
人間の考えというか意識は、
咽頭の発達、
つまり言葉を自由に喋れるようになったことが決定的なんだそうだ。
ヒトをチンパンジーを比べても、
決定的に違うのはそこ。
そうなると、
言葉をメロディーにのせて歌うってのは、
極めて人間的な行為なんだなと思う。
●合格と言えば、大学生の姪の就職が決まった。こっちがこのあいだ就職したばかりのような気がしていたのに●昨日のセッションの録音を、恐る恐る聞いてみた。なかなかいい感じになってきたと、自分では思う●「スクープ」はメディアスクラムの話などではなく、検察に踊らされて他人を傷つける記事ばかり書く女性新聞記者を描いた作品だと言い換えておく●久し振りに聞く歌があって、歌詞が以前と全然違う意味に聞こえたのに驚いた。驚いて涙が出た。
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