小学校低学年の事だから、
母が今のぼくより若かったころ、
ここらの主婦の間で、
ある手芸が流行った。
折り紙を二枚重ねてうまい具合に折ると、
クリスマスにパーンて鳴らすクラッカーのような物ができて、
それを何十も作って糊でくっつけて、
きれいな毬のようにする。
ただそれだけなんだけど、
そのころ母は暇があるとその毬を作っていた。
初めはソフトボールぐらいの大きさだったけど、
次第に大きいのが作りたくなる人情はだれも同じようで、
ついにはメロンぐらいのを作り上げ、
ご丁寧にそれを乗せる座布団まで手縫いする凝りよう。
それはしばらく、
我が家の玄関のげた箱の上に飾られていた。
何でこんなことを思い出したのかというと、
「ニードルフェルト」という手芸があることを、
NHK「おしゃれ工房」で知ったからだ。
フェルトの束を特殊な針でつつくだけで、
メロンパンや、
ショートケーキが出来上がる。
その出来栄えは男の目から見てもかわいらしい。
材料代も高くはなさそうだし、
やってみたくなった。
出演していたのは、
「ニードルフェルト作家」の女性で、
彼女いわく、
もとはスイーツ作りが好きだったけど、
そのニードルフェルトのスイーツ作りを始めてから、
本物を食べることが少なくなり、
7キロやせたんだという。
そんなものかねと思いながら見ていたら、
針を刺すたびに「サクッ、サクッ」という音がする。
これが何とも快感のようで、
あぁその手の感触、
音が夢中にさせるのだろうと想像した。
この番組、
TVをつけてやってたらつい見てしまうことが多い。
それにしても、
いろんな「作家」がいるものだ。
古いネクタイをストールに再生する作家もいたし、
厚紙と布をかわいい小箱に仕上げる作家もいたなぁ。
やってることは単純な工作なのだけど、
手仕事っていいなってぼくの中の子供心をくすぐる。
でもなぁ、
年がら年中フェルトに針刺して、
飽きないのだろうかとも思う。
作家ともなると、
いろんな注文もあって、
「またあれかよ」なんて思いながら、
針刺してるのかな、
それはちょっと怖いな、
子育ての合間になんて言ってたけど、
あの針は危ないぞとか、
どんどん余計な事を考えてしまった。
で、
母の毬は、
なんていう名前だったのだろう?
今でも作ってる作家はいるのかな。
●めでたく巨人V2●世界中で株が暴落している。ということは、99%が大損した分、大儲けした1%がいるのだ●阪神阪急と高島屋が資本提携するそうだ。三菱東京UFJ銀行みたいになってきた。
0 件のコメント:
コメントを投稿