2008年10月26日日曜日

冒険

北朝鮮拉致被害者が帰国して、
日本中が大騒ぎしていたころ、
登山史上に残る生還劇があったことなど、
最近まで知らなかった。

チベットとネパールの国境に、
ギャチュンカンという山がある(んだって)。
8000メートルに満たないその山に、
世界的登山家の山野井泰史と妙子夫妻が、
なぜ登ろうとしたのか。。。


「凍(とう)」(沢木耕太郎著、新潮社)を一気に読んだ。


冒険と無謀を分けるのは、
結局「美学」の有無ではないか。

二人は、
新しいルートで、
できるだけ軽装備で登ることを好み。
山にゴミを残すことを嫌った。

何より「自力」であることにこだわった。

私生活も同様に、
身軽に、
他人や自然に、
迷惑をかけないことを旨とした。

そんな二人がギャチュンカンで遭遇する、
自然との壮絶な闘いは、
読んでもらうしかないけど、
ぼくは、


「人間はここまで正気でいられるのか」


と驚嘆した。

ちなみに、
「ギャチュンカン」とはチベット語で、
「百の谷が集まると所にある雪山」という意味らしい。

ぼくの人生も山あり谷ありだが、
美学など持たず無謀なことばかりしてきた。
何度正気を失ったことか。

それでも生きているのは、
きっと、
運が良かっただけなのだろう。


●山野井泰史氏は最近、住んでいる奥多摩でクマに襲われたとか●巨人CS初優勝。オメデトー。

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