北朝鮮拉致被害者が帰国して、
日本中が大騒ぎしていたころ、
登山史上に残る生還劇があったことなど、
最近まで知らなかった。
チベットとネパールの国境に、
ギャチュンカンという山がある(んだって)。
8000メートルに満たないその山に、
世界的登山家の山野井泰史と妙子夫妻が、
なぜ登ろうとしたのか。。。
「凍(とう)」(沢木耕太郎著、新潮社)を一気に読んだ。
冒険と無謀を分けるのは、
結局「美学」の有無ではないか。
二人は、
新しいルートで、
できるだけ軽装備で登ることを好み。
山にゴミを残すことを嫌った。
何より「自力」であることにこだわった。
私生活も同様に、
身軽に、
他人や自然に、
迷惑をかけないことを旨とした。
そんな二人がギャチュンカンで遭遇する、
自然との壮絶な闘いは、
読んでもらうしかないけど、
ぼくは、
「人間はここまで正気でいられるのか」
と驚嘆した。
ちなみに、
「ギャチュンカン」とはチベット語で、
「百の谷が集まると所にある雪山」という意味らしい。
ぼくの人生も山あり谷ありだが、
美学など持たず無謀なことばかりしてきた。
何度正気を失ったことか。
それでも生きているのは、
きっと、
運が良かっただけなのだろう。
●山野井泰史氏は最近、住んでいる奥多摩でクマに襲われたとか●巨人CS初優勝。オメデトー。
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