何年かぶりに行楽した。
朝一でマイクロバスに乗り、
日本海へ向かった。
以前、
丹後半島に住んでいたことがあるので、
舞鶴道がなつかしい。
今はなきスカイラインで何度往復したことか。
紅葉にはまだ早かったけど、
山々に囲まれる景色の移ろいに、
様々な思い出がよみがえる。
出石そばのコースで満腹になり、
豊岡でコウノトリを拝見した。
心身リフレッシュ充電完了。
だもんで、
その勢いで夜は一人で北堀江のカフェバーへ。
知り合いが出演するライブを予約していたのだ。
初めて行くそのカフェは、
おしゃれな人が多くて、
半分ぐらいは外人。
行楽帰りの僕はプカプカ浮いていた。
しかしライブは最高で、
酔っ払った若い女性数人などは、
ワイングラス片手に踊っている。
といっても、
実はそんなに酔っていないのだろう、
フニャフニャしていても、
ちゃんと人にはぶつからず、
ワインもこぼさない。
少し踊ると、
カウンターの僕の隣の女性と、
何かご機嫌に話しはじめた。
でもどうやら赤の他人のようだ。
彼女は、
この世の陽気を一人占めしたように楽しげで、
見ていて決して悪い気分ではない。
演奏もますます快調だ。
そしてついに、
隣の女性と話し終えた彼女が、
トニックウォーターを飲んでいるぼくを見た。
一瞥して一言、
「教授みたい。あはは」
「?????????」
気の利いた言葉の一つも出せないぼくを尻目に、
彼女は、
くるりと向きを変え、
また踊りはじめた。
やっぱり眼鏡やめようかな。
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