2008年10月21日火曜日

喧嘩の仕方

橋下知事が、
今度は朝日新聞にかみついた。
最近おとなしくしていると思ったら、
そうくるか。

共同通信によると、
事態は以下のようなものだ。



 大阪府の橋下徹知事は20日、母子殺害事件弁護団への懲戒請求呼び掛けをめぐり敗訴した際、朝日新聞が社説で弁護士資格返上を求めたことに触れ「資格をはく奪されるようなことはなく、からかい半分だ。朝日新聞は愚かな言論機関。すぐに廃業した方がいい」と重ねて批判した。

 機関投資家に府債を売り込むため訪れた東京都内で記者団に語った。

 橋下知事は19日に陸上自衛隊の式典で「人の悪口ばかり言ってる朝日新聞のような大人が増えれば、日本はだめになる」と発言。

 この理由について記者団に「一番敬意を表すべき自衛隊との(比較)対照としていい例と思った」と説明した。

 さらに「判決の件で厳しく指摘されることは構わないが、表現の仕方としてどうなのか。朝日新聞は権力に悪口を言っていればいい、と思っていることがよく分かった」とまくし立てた。



以前にも女子アナの「遅刻発言」を巡って、
NHKにかみついたことがある橋下知事。
内容はともかく、
相手はいずれもマスコミである。

マスコミというものは、
他人を批判するのは得意な一方、
批判されることを極端に嫌う。
メンツにこだわるから、
でかでかと誤報しても訂正ははるかに小さい。
それでも、
ぼくが思うには、
NHKや朝日は、
マスコミの中でも良識ある方だ。

そんなことは橋下知事も十分分かっている。
だから、
この相手とは大喧嘩にはなるまい、
「大人」の対応をしてくれるはずと、
相手を「値ぶみ」しているはずだ。
暴力団相手に喧嘩売るような真似はしない。

かみついて、
相手が乗ってくれればしめたもの。
自分が相手と対等の立場に立てる。
世間的には、
「第4の権力にもひるまぬ知事」と印象づけることができる。
本当は自分も大層な権力者なのに、
仮想の敵を作って自分を勇者に見せる手法は、
小泉元総理の得意技だった。

そもそも弁護士なのだから、
落とし所というか、
最初にかましといて、
あとで妥結の道を探るというのは、
お手の物だ。

何より、
この人の強みは、
「失うものがない」という点である。
意志が全うできぬのなら、
知事職などいつ辞めてもいいという、
いい意味での「居直り」があるから、
発言にブレが少ないし、
勢いがある。

重みはないけど、
切れ味はいい。

その小気味よさが支持される限り、
この人は持つ。
だから恐いのは、
NHKでも朝日でも霞が関でもなく、
唯一、
「世論」だけだ。


●岡田阪神エンド。なんで辞めなきゃならないのか、ぼくには分からない。

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