2008年10月17日金曜日

かぶる

ギリシャでは、
掌を相手に向けて出すと、
「おまえなんかあっち行け」という、
ひどい侮蔑の意味になると、
NHK児玉トラベルでやっていた。

それを見て、
ぼくが子どものころ、
掌を模したプラスチック板に針金と吸盤が付いた、
カーアクセサリーが流行ったことを思い出した。

車の後ろの窓に付けると、
揺れに合わせて掌が左右に振れ、
後続車からは、
「バイバイ」とも
「はーい」ともとれ、
いずれにせよ面白いっていうんで、
売れに売れた(と思う)。

我が家には当時、
真白なカローラがあって、
ぼくはその掌をどうしても付けたくて、
母にねだって買ってもらった。

ところが、
まさにその夜、
会社から帰宅した父が、
まったく同じ物を買ってきた。

あまり見事にかぶったので、
家族で大笑いした。

これなどは流行りものだから、
ありがちな話ではあるが、
例えばセッションで、
ある日はドラマーが多かったり、
別の日はピアニストが多かったりと、
見事にかぶるというか、
片寄ることがある。

もちろん理由がつく場合もある。
例えば有名なプロギタリストが見える日には、
ギターキッズが多く、
高槻ジャズストリート直後には、
ハイになったプロが多く集まった。
武庫之荘のMクアトロは、
絶滅危惧種の男性ボーカルが多く集まるので有名だ。

しかしそういう事は稀で、
ひょっとしたら、
その日の月の満ち欠けによって、
ドラムが叩きたくなったり、
サックスを吹きたくなったりするんじゃなかろうか、
などと思いたくなるほど、
曜日が同じでも偏る。

ちなみに、
偏りが一番少ないのはボーカル。
そして、
いつも少ないのはベースだ。

そういえば、
女性のギタリストだけにはまだ、
お目にかかったことがない。

不思議なもんだ。

ちなみにかぶった掌がどうなったのかは、
記憶にない。


●三宮グレートブルーのセッションに久しぶりに行った。大変な盛況で、1曲だけ歌えた。反応は正直、あまり良くなかった。でもぼくの自信は揺らがない。この方向で間違いないと、確信している●40年以上も乱雑に生き散らかして、残りわずかな消しゴムみたにいなぼくに、会いたいと思ってくれる人がいる。そういう人がいる限り、ぼくは前を向ける。

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