2008年10月5日日曜日

散髪

夏のあいだにすっかり伸びた庭木が、
きれいに散髪されて、
母はご機嫌だ。

「あーすっきりしたわ」
と言いながら、
中途半端に伸びたぼくの髪を見る。

西宮北口の美容院で、
短くしたのは春ごろのこと。
床屋とは違うテクニックで、
顔の輪郭をうまく補正するかのような出来栄えは、
とても気に入っていた。

難点は、
ひと月もたつと、
収拾がつかなくなることだった。
短い部分も長い部分も、
伸びる速さは同じだから、
絶妙のバランスはすぐに崩壊する。

整髪剤を何種類か試してみたけど、
元来無精な性格では手に余り、
結局あわてて予約しては、
元のショートに戻してもらってきた、
このあたりは、
床屋の方が「融通」がきくようだ。

じゃあミディアムぐらいに伸ばすには、
一体どうしたらよいのかと尋ねたら、
「しばらく我慢するしかないですね」
と担当の美容師さん。

そこでぼくはハタと、
芸能人がたまにニット帽をかぶっている訳がわかった。
だれしもそういう過渡期があって、
その間は帽子でカバーしているのだ。
そこでぼくも外出時、
夏は野球帽、
最近はニット帽をかぶっている。

さすがに大分伸びてきた。
美容師さんには、
今月中ごろに来るようにと、
言われている。

あと少しの辛抱だ。


●エグベルト・ジスモンチのCD「CIDADE CORACAO」(ECM)を買ったのは去年のこと。「憂鬱と官能を教えた学校」(菊池成孔、大谷能生著、河出書房新社)で現代ブラジル音楽の具体例として「全ての感情が熱消毒されて酩酊しているような、酩酊と覚醒の同居が至極当然であるような、すさまじいリズムの揺らぎ」と紹介されている。昨日、NHK「芸術劇場」で本人を見たが、アマゾンから現われた怪人という印象もあるが、非常に知性的な人だとも感じた。ギターのほかにピアノも弾くとはしならなかった。若いころナディア・ブーランジェ女史に習ったんだそうだ。知らない事だらけだ、世の中は。

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