2008年10月15日水曜日

雨に濡れても

映画「明日に向かって撃て」は、
何といってもラストシーンが有名だが、
それに劣らず胸を打つのが、
なかほどの自転車の場面だ。

ポール・ニューマン演じる強盗ブッチが、
ロバト・レッドフォード演じる相棒サンダンス・キッドの彼女の前で、
手に入れたばかりの自転車に乗って見せる。

坂を下りながら曲乗りをして見せたり、
彼女をハンドルの上に、
二人乗りするバックには、
有名な「雨に濡れても」が流れる。

ぼくが自転車に乗れるようになったのは、
たぶん小学校低学年のころだが、
その瞬間のことは覚えていない。
だから表現としては、
「気がついたら乗れていた」ということだ。
親父が後ろで押してくれていて、
いつの間にか手を放しているのに、
当人は気づかずにしばらく進み、
「一人で乗っている」のに気づいた次の瞬間、
こけてしまうというような、
よくある場面であったかもしれないし、
誰も見ていない公園で、
ある時突然、
乗れてしまった、
というようなことだったかもしれない。

いずれにせよ、
自転車に乗れるようになるには、
補助輪を付けたり、
誰かに支えてもらったりという過程が絶対にあるはずだ。

始めから自転車に乗れた人などいやしない。

その瞬間。

何の支えもなく、
坂道を下るのに任せて乗っているのでもなく、
平らな場所を、
自力で漕いで自転車に乗れた瞬間の昂揚は、
今自転車に乗っているすべての人に訪れたはずだ。

ぼくの歌修行にあてはめれば、
さしずめ今日の天満「じゃず家」でのセッションは、
この昂揚の一瞬であった(はずだ)。

その予感というか、
決意のようなものは事前にあって、
店に入った時から落ち着きがなかった。

感覚を忘れないよう、
座るのももどかしく、
直前まで繰り返し繰り返し、
その感覚を確かめていた。

人力飛行機コンテストでよく、
飛んだのか、
ただ落ちただけなのか分からないような挑戦者がいるが、
飛んだか落ちたか、
それは当人にしか分かるまい。
判定では飛んだと認められなくても、
本人が飛んだと思えば、
飛んだのだ。

そういう意味で言えば、
今日ぼくは飛んだ。

話を自転車に戻せば、
すぐにこけたけど、
ほんの何メートルかは「漕いだ」のだ。

もっと長い距離を漕いでみせなければ、
誰にも認めてもらえまい。
悪路や坂道になれば、
まったく歯が立つまい。
調子にのって速度を出しすぎれば、
思いっきり何かにぶつかることもあるだろう。

でもこの感覚は忘れないと思う。


●ネットに歌詞があった。
Raindrops are falling on my head
and just like the guy whose feet are too big for his bed,
nothing seems to fit
those raindrops are falling on my head, they keep falling
雨が頭の上に落ちてくる
ちょうどベッドに収まるには足が長すぎる男みたいに
すべてしっくり行かないみたいだ
雨が頭の上に落ちてくる 落ちつづける

so I just did me some talking to the sun,
and I said I didn't like the way he got things done,
sleeping on the job
those raindrops are falling on my head they keep falling
だから太陽に向かってちょっと一言
どうもお前のやりかたは気に入らないと言ってやった
照りもしないで寝てるんじゃないよって
雨が頭の上に落ちてくる 落ちつづける

But there's one thing, I know
the blues they sent to meet me won't defeat me.
It won't be long 'till happiness steps up to greet me
でも一つだけわかっていることがある
向き合ってみろばかりに雨がよこした鬱な気分に俺は負けない
そのうち幸せの方が俺に挨拶しにやって来るだろう

Raindrops keep falling on my head
but that doesn't mean my eyes will soon be turning red.
Crying's not for me, 'cause
I'm never gonna stop the rain by complaining
because I'm free
nothing's worrying me
雨が降りつづける
でもだからといって俺の目が赤くなってしまうわけでもないし
泣くなんて自分の好みじゃない なぜって
文句を言ったところで俺は雨を止めることはできない
なぜって俺は自由
何も心配ごとなんてない


It won't be long 'till happiness steps up to greet me
そのうち幸せの方が俺に挨拶にやって来るだろう


Raindrops keep falling on my head
but that doesn't mean my eyes will soon be turning red.
Crying's not for me, cause
I'm never gonna stop the rain by complaining
because I'm free
nothing's worrying me
雨が降りつづける
でもだからといって俺の目が赤くなってしまうわけでもないし
泣くなんて自分の好みじゃない なぜって
文句を言ったところで俺は雨を止めることはできない
なぜって俺は自由
何も心配ごとなんてない




●昨日、Dr清水勇博君がNY修行に行くラストライブが西宮コーナー・ポケットであった。夜は仕事だったので、昼の部だけしか行けなかったけど、今現在は既に飛行機の中にいるはずの、慌ただしい中であったが、彼の顔はとてもすがすがしかった。幸多かれと願う●このブログは6月のミニライブにきて下さった人などほんの数人しかぼくはまだ紹介していない。ぼくの歌手の部分を知っている人に限っている。その中に、きょう一人素敵な人が加わった。さらに努力しようと思う。

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