2008年10月27日月曜日

偏食

子どもの頃から、
ピーナッツバターサンドイッチしか食べずに大きくなった少年、
というのをテレビで紹介していた。

3食すべてピーナッツバターサンド。

んなばかなぁ

とぼくも思った。
どうせテレビだもんと。

しかし、
パンダは笹の葉、
コアラはユーカリの葉しか食べないし、
人間にも菜食主義者がいる。

ゴリラも葉っぱだけであんなに屈強な体を維持しているし、
クジラだってプランクトンとかそんなもんだけ食べて、
あんな巨体でいられる。

それなら少年の話も本当かもしれない。
第一、
偏食が体に悪いなら、
戦争中に育った人は、
みんな今ごろいやしない。。。



70年ほど前、
ルドルフ・シェーンハイマーという科学者が面白い実験をした。

特殊な方法で印を付けた餌を、
大人のネズミに食べさせて、
それがどこへ行くか追跡したのだ。

大人だから体重は増えない。
だから餌はエネルギーとして消費され、
排泄物として出てくる。
彼はそう予想したのだが、
実際は印の半分以上が体内に留まった。

餌は燃料ではなく、
体そのものになっていたのだ。

餌はネズミの体内で分子レベルに分解されて、
体内で再びアミノ酸となり、
さらに様々なタンパク質に再構成され、
内臓や血液へと姿を変えていた。

って要は代謝なんだけど、
これはかなり驚くべきことだ。
松坂牛だろうがキャベツだろうが、
分子にまでバラバラにされたら、
同じじゃないか。

「生物と無生物のあいだ」(福岡伸一著、講談社現代新書)
によると、
この代謝によって、
ネズミはたった3日、
人間だって1年半ほどで、
分子レベルでは全身、
全くの「別人」になるのだという。

かの少年は、
全身、
まさにピーナッツバターサンドでできていたのだ!。

鏡を見て、
1年半前との違いは、
老けたことぐらいだと思っていたが、
ぼくの体も、
そんな凄いことになっているのだ。

だって、
今のぼくの一部分は、
かつて、
あなたの一部分だったかもしれない、
ということだからだ。

●この本のことは前にも書いたような気がするが、現在再読中●フィギュア開幕。安藤美姫、同じこけるなら、ああいうのが一番ダメージが少ない●このブログをリンクしたいと、驚きの申し出。「喜んで」と返事したけど、彼女の評判が下がりはしないか少し心配。

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