2008年11月3日月曜日

一発屋

平田隆夫とセルスターズ。

ぼくが子どものころ、
このバンドが大好きだった。

特にデビュー曲の「悪魔がにくい」が、
大好きだった。
1971年、
小学2年生の夏の曲。
ぼくはラジオから流れるこの曲に夢中だった。

「ぼくにーわーなーぜかわからない おまえーのーうつりぎーがー」

なんて歌詞、
なぜか分かるはずないのに。

一般には2曲目の「ハチのムサシは死んだのさ」の方が有名かもしれない。
1972年、
彼らはこの曲で紅白歌合戦に出場した。

年末恒例のこの番組、
当時の威光は、
今とは比べモノにならなかった。

ぼくは女性ボーカル二人のうちの、
おさげに丸メガネの方が好きだった。
ウィキペディアで調べてみたら、
「みみんあい」って名前だった。

夢に出てきたほどだから、
好きさ加減は相当なもんだたったと思う。

仮面ライダーも、
ウルトラセブンも、
古代進むも、
ぼくの夢に登場したことはない。

彼らは2曲の大ヒットがあるから、
正確な意味では違うけど、
まぁ「一発屋」と呼んで差支えないだろう。

ほかにも、
「ふられ気分でRock'nRoll」のトムキャット、
「完全無欠のロックンローラー」のアラジン。。。

ネットを見ていたら、
「小柳ゆき」を上げているいるサイトもあった!



ということで、
一発屋の定義はひとそれぞれだけど、
科学者にだって一発屋がいるというのが本題。

キャリー・マリスという生化学者は、
「ポリメラーゼ連鎖反応」という、
DNAの画期的増幅法を考え付いた。

本当に閃き一つ、
分かってみれば(その分野の人には)何てことないらしいが、
彼女とドライブデート中にアイデアを思いついた(らしい)彼は、
それだけで、
1993年のノーベル化学賞を受賞する。

「マリス博士の奇想天外な人生」(キャリー・マリス著、ハヤカワ文庫NF)は、
サーファーで、
4度も結婚して、
LSD体験も隠さない彼が、
半生をつづったものだけど、
抜群に面白かった。


20世紀における科学上のもっとも重要な展開は、科学研究の背後にある動機が、好奇心から経済的なものに変化したことだろう。

アメリカにおけるフロンの生産特許が期限切れになるのと同時に、フロンの使用が禁止されることになった。これは偶然にしては驚くべきタイミングのよさである。世界各国でようやくロイヤリティを払わずにフロンの生産が行えるようになった矢先に、禁止令が出されたのである。そのかわり、新しい代替化合物が登場した。むろんそれは特許で守られている。フロンはこの新製品に置き換えられ、これを生産する企業には再び金が入る仕組みになっているのだ。


ぼくにはこれだけで十分刺激的な話だけど、
占星術についても、


人間を職業別に見てみると、職業によって誕生日に偏りがある。この事実一つとっても、星の運行と人間の器質になんらかの関係があると考えてみたくなる。
(前後するが)
フロイト、ユング、マズロー。確かに彼らの理論は格好いいし、読んでいても楽しい。しかし、われわれはいっこうに良くならないではないか。今もなお、橋から身を投げる人々があとを絶たないではないか。占星術だって人間のかかえる問題すべてに解決をもたらすわけではない。それはアマゾンのまじない師の薬草だって同じことである。しかし現代のまじない師たる科学者は、狭量すぎてそれらを顧みない。占星術のもつ古来からの広範囲な情報が無駄になるのは、まったく残念なことである。


万事こんな調子。
大真面目である。

彼には先入観がない。
世間では「常識」でも、
自分が「科学的に」納得しなければ受け入れない。

彼は山羊座。
ぼくと同じだ。

前に、
ノーベル賞がちょっと変じゃないかという風に書いたけど、
こんな素敵な人にあげたことは、
褒めてあげたいと思った。

ちなみに彼は日本国際賞も受賞していて、
授賞式で両陛下と話をしている。
その時の皇后の素敵な配慮は、
読んでいて微笑ましい。


●時間があると長くなりすぎていけない●しかし、どうしてこの本があまり売れていないのか不思議だ(ぼくが買ったのは2004年の初版だった)●石川遼、プロ初勝利。彼はやはりスターだ●ジュンク堂で小林秀雄のCDを買い、下のドトールでさっきの本を読んだ。それだけの休日●夜、テレビで「余命半年と告げられたら、あなたは何をしますか」と問うている。隣の母は「うーん、何もないわ」。よほど今が幸せなのだろう。

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